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僧侶でニューハーフでAV女優。かとうれいが異端の道を進む理由

人を救いたい。そう願うからこそ
安宿 緑 プロフィール

3年で絶対にリベンジする

とはいえ、なかなか決心がつかなかったが、ある日、中学の同級生がニューハーフものを多く扱う大手AV会社にかとうをイタズラで応募してしまった。

「仕方なく面接に行くと、散々バカにされましてね。君は見た目も体型も良くない、ニューハーフ女優がどれだけ努力してるかわかってるのか? と

そして、『苦海浄土』という本を読んでみろといわれて追い返されました。その足で本屋に行って、買って読みましたよ」

水俣病問題において会社、労組、被害者それぞれの利害が交差し合う様子を闊達に描き出した、石牟礼道子の不朽のノンフィクションである。

「『誰も悪くないのだから、落としたことを恨むなよ』と言う意味だったんでしょう。でも翌朝、その会社から電話が来て『撮影よろしくお願いします』というので、『通ったんですか?』というと『あ、間違えました』と(笑)。

もう腹が立ってね、『お前、3年後に絶対にリベンジしてやるから待っとれよ!』ゆうて電話を切った。なぜ3年かって? 1年じゃさすがに無理や思ったので3年です(笑)」

 

バールで肋骨を折り、「女の体」に

その夜、かとうはさっそく、高校時代の剣道部の後輩を呼びつけた。

木刀を渡し、これで私の肋骨を思いっきり叩けと言いました。一度折って、その状態でくっつければ女性らしい体型になると思ったから。お金がなかったので、それしか方法がありませんでした。肋骨一本折ったら、一万円払うからと」

しかし、一回ではなかなか折れなかった。

「そこでホームセンターでバールを買い、『次、折れへんかったらわかってるな?』と。すると、今度はバッチリ折れた」

折れた状態を固定するため上からサラシを巻き、痛みはウィスキーを飲んでごまかした。ひとつ間違えば命にかかわる、非常に危険な行為だ。しかし、かとうはそれも仏の導きと捉えている。

ギャル風なのは「濃いメイクしか似合わないから」とのこと〔PHOTO〕岡田康旦

生きてるということは、私がまだこの世に必要だったから。仏様が助けてくれた、そう思います

 現在は乳房を形成、睾丸のみを摘出し女性ホルモンを投与している状態だ。

「それまでは、滝行で見えてしまうので『筋肉です』と言い張ってたんですが、それも限界が来てしまって。誰もいないときに一人でしています」