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僧侶でニューハーフでAV女優。かとうれいが異端の道を進む理由

人を救いたい。そう願うからこそ
安宿 緑 プロフィール

「神仏に性別はない」で解き放たれる

女性の姿をし始めたのは大学の頃だ。授業で、神仏には性別がないことを知ったのがきっかけだった。男女両方の側面を併せ持ち、性別を超越した存在が神仏であると教わった。

「でも、気になるじゃないですか。仏像の下をめくって確認できるわけでもないし。それで、『先生、神仏の下半身はどうなってるのですか。ニューハーフなのですか』と質問すると、『それ以上言わせるな』と。じゃあ大丈夫だなと思い、次の日から即化粧して堂々と『女』として登校するようになりました」

 

そこから、なぜAV女優への道へとつながったのか。

「高校生の頃から個人的に相談を受けたり、説法などをしていました。そんななか、本当に悩んでいて助けが必要な人は、かつての自分のように、寺の外にいるのではと感じるようになったんです。中でも、社会的に弱い立場にある、夜の仕事や風俗で働く女性たちに多いのではないかと。そこで、大阪の新世界や北新地に繰り出してみたんです」

〔PHOTO〕iStock

しかし、女性たちからは辛辣な言葉を投げかけられ、ショックを受けたという。

「あんたみたいに、大学行ってるような人間に私たちの気持ちはわからん」

人それぞれ自我がある以上、正義を押し付けるのではなく、苦しみを理解し、歩み寄ることを僧侶の務めとしてきた、かとう。同じ立場で、同じ経験をしなければ歩み寄ることはできないと考え、自らもニューハーフ風俗で働きはじめた。また時には立ちんぼとして夜の街に立ち、客を取ることもあった。

立ちんぼをすることには、そこまで抵抗はなかった。

「普段からホームレスの方々に呼ばれて一緒に食事をすることもあったし、外で何かすることには慣れてましたね。それに私は肉親との縁が薄いし、実家も寺ではないので、無茶なこともできたと思います」

AV出演もその延長線上で考えるようになった。

風俗の仕事だからといって、客から見下されることもあって。でも、『お前が今抱いてるのは、坊さんやぞ』と。人は皆平等。そういうことを示したかったというのもありました