〔PHOTO〕岡田康且
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僧侶でニューハーフでAV女優。かとうれいが異端の道を進む理由

人を救いたい。そう願うからこそ
僧侶であり、ニューハーフであり、AV女優である、かとうれい。キメラのような肩書きはさまざまなネットメディアで取り上げられ、話題になった。

奇をてらっているようにも見えるその活動の真意はどこにあるのか。好奇心から始まったインタビューは、一人の人間の信仰と救い、性に対するあまりにも切実な思いを知ることとなった。

ギャルの格好で清貧な暮らしを貫く

その日、都内の公園で待ち合わせたかとうは、ギャルのような出で立ちで登場した。しかし、声色や話し方は説法を説く僧侶そのものだ。

AV女優としては2017年にデビュー後、すでに2本の作品に主演。寺には所属せず、フリーランスで法要や人生相談を受け持ったり、時には「除霊」も行うが、対価としての金銭は基本、受け取らない。支援者が食卓に呼んでくれることも多く、衣食住に困ることはないという。

常に持ち歩いているという仕事道具。この日身につけていた服も、すべてもらいものだそう〔PHOTO〕岡田康旦

清貧を貫いているのは、ポリシーがあるからだ。

宗教法人法のあり方は、元来の宗教の趣旨から外れている部分があると思う。僧侶として本当に人を救い、助ける道は何かと考えると、今のあり方に行き着いたんです」

 

壮絶なネグレクトで「人は助けてくれない」と知る

生まれは大阪。父方は加藤清正の傍流にあたる由緒正しい家柄だったが、幼少期は壮絶な虐待にさらされていた。

父の財産目当てで結婚した母は、かとうに愛情を向けることはなかった。なぜか妹だけが溺愛され、かとうは食事もろくに与えられず、暴力をふるわれる毎日だったという。

殴られた頭部には、今でも傷が残る。食事を恵んでもらうため近所の家を回るが見て見ぬふりをされ、時にはゴミ箱も漁った。父は仕事柄あまり家に帰ってこず、家の体面を守るためか波風を立たせないよう振る舞い、かとうを救うことはなかった。

そんな状態を知った父方の祖父母に引き取られたのは、5歳の頃。仏縁のはじまりは、修験者である祖母の兄との出会いだった。

人は助けてくれない。でも仏様なら、この気持ちをわかってくれる、助けてくれる

かくして仏門に入ったかとうは、小学一年生の頃から自らの性別に違和感をおぼえ始めたが、修行をすればいずれ身体が変わり、悩みがなくなると信じ、ますますのめり込んだ。そして高校生の時に早くも修験道における「先達」の位を与えられ、仏教系の大学に進んだ後、在学中に得度し僧籍を得た。

修験道で先達を与えられた時のかとう