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安倍・トランプ「秘密会談」の裏まで知る外務官僚の名前

密かに注目を集める3人とは

「黒子」がいま注目を集めている

安倍晋三首相が外国首脳とトップ会談を行なう際の通訳を務める外務官僚は黒子である。

だが、ここに来てメディア界で、ドナルド・トランプ米大統領との英語通訳、ウラジーミル・プーチン露大統領とのロシア語通訳、そして習近平・中国国家主席との中国語通訳の3官僚への関心が非常に高まっていると聞いた――。

早速、紹介しよう。まず英語通訳は、外務省総合外交政策局総務課の高尾直・首席事務官(2003年外務省入省)である。同氏は東大法学部卒業の霞が関用語で言う「キャリア官僚」だ。

次に、ロシア語通訳は城野啓介・欧州局ロシア課課長補佐(04年)であり、語学専門官である。安倍・プーチン会談の写真・映像報道を観ると、安倍首相の背後に座って通訳している同氏がロングヘアのイケメンであったことから、一時期、省内の女性職員のみならず女性記者の間で評判となった。

2016年に来日したプーチン大統領が講道館を訪れた際も、安倍首相の傍らには外務省の城野啓介氏が控えていた(Photo by GettyImages)2016年に来日したプーチン大統領が講道館を訪れた際も、安倍首相の傍らには外務省の城野啓介氏が控えていた(Photo by GettyImages)

安倍首相の外交手法として知られるのが、tete-a-tete(テタテ)と称されるノートテイカー(記録係)を同席させずに通訳のみで事実上の「差しの会談」である。安倍首相はこれまでにプーチン大統領との首脳会談を25回行っているが、城野氏がその全ての通訳を担っている。

 

中国語通訳は岡田勝・総合外交政策局外交政策調整官(89年)である。旧国際電信電話から語学専門職として外務省に転じた同氏は、語学だけではなく政策立案・交渉能力も買われてキャリア職となり、16年9月に現職に就いた。

ベストセラー作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏と同じケースである。東西冷戦崩壊時のモスクワ勤務時代にその卓越した情報収集・分析能力で知られた佐藤氏は帰国直後に国際情報局(現国際情報官統括組織)の分析第一課分析官に就いた。

筆者はその頃に同氏の知己を得たが、やはり程なくしてキャリア職の主任分析官に起用された。当時から同氏の異能ぶりは際立っていた。

それはともかく、高尾、城野、岡田の3氏は、「地球儀俯瞰外交」を標榜・実践する安倍首相の通訳ビッグスリーということだ。本稿で取り上げたいのは高尾氏である。