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がんになったら「会社に伝える」「伝えない」それぞれの損得事情

イヤなら、伝えなくたっていい…けれど

「言いたくない派」が多い

がんになった後の悩みは、病気・治療のこと、お金・仕事のこと、家庭・人間関係のことなど、多岐にわたる。そして、意外に多いご相談が、親や家族などの近しい人を含め周囲にがんに罹患したことを伝えるべきか、伝えるのであれば、どこまで、どのタイミングで、どんな風に伝えたら良いかといったお悩みだ。

 

最近、病気に罹患したことを公表する芸能人、著名人なども増えてきた。医療の進歩によって「がん≠死病」という認識が徐々に広まったこともあり、がんをカミングアウトすることへのハードルが、低くなってきたような雰囲気はある。しかし、がん患者と接する機会も多い筆者が感じる限り、個々の置かれている環境や価値観によって、「まだまだ言いたくない」or「言いにくい」という人が多いような気がする。

とくに、女性のがん患者の中には、勤務先に対して病気という最もプライベートな情報伝えることに抵抗を感じる人が少なくない。しかし、仕事と治療を両立させるためには、職場の理解や協力は不可欠。そこで今回は、職場に対してがんを「伝えること」「伝えないこと」のメリットとデメリットについて考えてみたいと思う。

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筆者は、現在都内の病院で、定期的に、がん患者のご相談を受けている。FPという仕事柄、がんとお金、就労に関するお悩みが中心だが、筆者自身が乳がんサバイバーということもあり、治療や副作用も含め、罹患後の生活全般に関わるご相談を受けることが多い。そこで驚くのが、周囲にがんであることを伝えていない、伝えるつもりもない、という人の多さである。とくに、若い独身女性のがん患者に、その傾向が顕著に感じられる。

一般的に周囲といっても、親や配偶者・パートナー、子ども、きょうだい、親戚といった近親者から、知人・友人、職場関係など、広範囲にわたるが、関係が近いからといって、無条件に病気のことを伝えているわけではなさそうだ。例えば、心配をかけたくないと離れて住む高齢の親に伝えない方もいれば、アレコレ言われるのが嫌だからと同居の姑に隠している方もいる。