地元が待望した初めての「福島産ワイン」その味をソムリエが語る
「果樹王国」復活に向けて②▶︎前編【1200本が即完売!福島産ブドウで作る初めてのワインができるまで】はこちら
待望のワインの味わい
福島県郡山市でワイン用ブドウの苗木を植えてから3年、初めて収穫したブドウから醸造されたワイン『Vin de Ollage(ヴァン・デ・オラージュ)』が、震災8年を目前にした3月10日から販売された。同市逢瀬町にある「ふくしま逢瀬ワイナリー」が、原料生産から加工・販売まで、すべて地元・郡山にこだわって完成させたものだ。
気になるのは、何といってもそのお味。そこで、3月5日に郡山市で行われた商品発表会に招待されていた福島県内のソムリエたちに味について語ってもらった。
お話をうかがったのは、福島市内のワインバーオーナーソムリエ 兼日本ソムリエ協会・福島支部長の伊藤勝仁さんと、須賀川市内のイタリアンに勤務され福島副支部長を兼務される大垣涼子さんのお二人。ふくしま逢瀬ワイナリーの醸造責任者である佐々木宏さんにも同席いただいた。

伊藤勝仁さん
福島市のワインバー「ワイン&チーズ マリアージュ」のオーナーソムリエ
兼 日本ソムリエ協会 福島支部長
大垣涼子さん
須賀川市のイタリアン「オステリア フェッラゴースト」に勤務
同 副支部長
ロゼワインは甘く華やかな香り
待望のワイン、まずはロゼの味から聞いてみた。
「イチゴやイチゴキャンディーのような甘く華やかな香りがします。ミネラル感もあり、バランスの良いワインです」(大垣さん)

「甘口ではないんですけど、まろやかさを感じる甘さがあるので、ワインをあまり飲み慣れてない方にも飲みやすいワインかな。若々しい、キャンディー系の香りを感じさせます。春らしいワインなので、テラスなど外で飲めるシーンで活躍してくれそう」(伊藤さん)
お二人の意見に、醸造担当の佐々木さんも納得の表情。
「メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンという、本来は赤ワインとして作られることの多い品種を使って、ある意味、贅沢にロゼとして仕上げています。ドライ過ぎず、ほんのり甘味を残しているので、『次にまた飲みたいな』と思っていただければ嬉しいですね」
