35歳で乳がんになった私が思う「がん患者を困らせる10の振る舞い」

「余命どのくらい?」って聞かれても…

がんをカミングアウトした結果…

ステージ4乳がんサバイバーの白戸ミフル(40歳独身・バリバリ婚活中)です。

前回は、私が乳がんになってひと通りの治療を終え、完治に向けて経過観察中の段階まで来たこと、乳がんになったことで、漫画家になるという夢を叶えたこと、をダイジェストで書いた(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64522)。

本文中でも一部を紹介しているが、白戸ミフルさんが自身のがん治療体験と合コン記をまとめた作品がこちら

実際に自分が“がん”になったと分かった当初は、一部の人にしか打ち明けられなかったが、完治が見えはじめた治療3年目の頃から大々的にカミングアウト(顔出しの記事を発表したり)をした。

すると、どうなったか。暮らしやすくなったか。働きやすくなったか。いやいや、カミングアウトする前から感じていた、がん患者に対する社会の誤解や違和感を、さらに強く感じるようになってしまったのだ。

今回はそのことについて話をしたいと思う。

 

「余命、どれくらい?」

乳がんが発覚して、抗がん剤治療を始めてしばらくしてから、私は当時付き合っていた年下の彼氏に振られることとなる。(詳細は前回の記事を読んでいただきたい)

それからしばらく腐っていた私は、慰めが欲しかったのか、過去に殺し合いのような壮絶なケンカを繰り返し、憎しみ合って最悪な別れ方をした元彼(ふた昔前でいういわゆる三高、ハイステだけが取り柄のような男だった)に思わず、メッセンジャーで連絡をしてしまった。

取り留めのない話をするなかで、“彼にはいま、彼女がいること”も分かり、それにショックを受ける自分にもドン引きし、それでも自分ががんになった話をすれば、お涙頂戴、優しい言葉をもらえると思ったのか……元カレに乳がんの話をしてしまった。

返ってきたのは、慰みの言葉でも同情の言葉でもなく、意表を突く衝撃的な言葉だった。

「余命がどのくらいと言われたのか教えて」

とても分かりやすい、シンプルすぎる言葉なのに、私は一瞬意味を理解できなかった。

「へ? 私って死んじゃうんだっけ……!?」

冷たい風が脳裏を突き抜け、心臓がバクバクした。

チガウ……余命なんて言われていない。私は治すのに……!

彼とメッセージを続けることが怖くなり、そのままブロックしてしまった。

がん患者に“余命”を聞くなんて失礼極まりない――私は当たり前のようにそう思っていたけど、目の前の男はまったく違う価値観を突き付けてきた。元彼がデリカシーなんて言葉を知らない男だったことを思い出しながら、そんな元彼にすがるように連絡をしてしまった自分も情けなくて涙が出てきた。

しかし世間のがん患者に対するイメージのひとつに“いつか死んでしまう人”あるいは“早く死んでしまう人”というように、“限りなく死に近い人”というのはあると思う。

実際、私も自分が乳がんになるまでは、おなじような考え方だったかもしれない。

身近なところでは、祖父ががんに罹っていた。原因はがんではなかったが、がんに罹ってから体力が落ちてしまい、入院を繰り返すようになり、亡くなってしまった。

きっとその当時は、誰かから“がん”を打ち明けられたら、「ああ、この人はもうすぐ死んでしまうのか……」と思っていただろう。