逆に言うと、タイミングと運が悪い人が誤ってそういうタイプと結婚してしまった、とも言えるが、結婚というのはそういう「めぐり合わせ」による「運ゲー」要素が強いため、必ずしも実力があれば結婚できる、という世界ではないのだ。

しかし「既婚者が非リアとかブスとか語っている時点で寒い」と言われることさえあるので、「結婚」や「恋愛」というのは非リア充にとってイメージダウンであることは間違いないようである。我々はアイドルか。

「あとはご自由に」の地獄

一方で「非リア充」はネットに傾倒しているため、リアルでのコミュニケーション能力に欠け、結果、恋愛や結婚と縁遠くなるのは必然とも言える。

では非リア充が確固たる意志を持って、恋愛や結婚をしようとしたらどうなるのか。

まず私の少ない経験からすると非リア充は、自由な複数プレイには向いてない。
突然乱交パーティの話をしだしたわけではない。むしろそれなら会話があまりいらなそうなので向いている可能性がある。

複数人の男女を集めて「あとは自由に仲良くなれ」形式だと、非リア充はまず負けるし、真っ先にジェイソンに殺される。
非リア充は「アドリブ」に弱い傾向がある。非リア充同士で即興ラップバトルをさせたら、二人同時に泡を吹いて倒れるため、常に引き分けになるほどだ。

非リア充が曲がりなりにも社会にいられるのは「言うことが決まっていることは割とつつがなく言える」からだ。つまり仕事の話なら普通に出来たりするのである。

だが「自由に話せ」と言われると、非リア充は瞬時に語彙と所在を失うし、さらにそれが複数人相手となると完全に迷子だ。

よって「街コン」のような大人数で集まって「友達を作ろう(あわよくば恋人も)」みたいな、あやふやな集会には行かない方がいい。さもなければ制限時間中ずっと、飼い主の迎えを待っている犬みたいな顔で佇まなければいけなくなる。

だから非リア充が婚活などをする場合は、見合いぐらいガチガチにセッティングされている場を選んだ方がいい。

それなら、話す相手は一人だし、相手がヘッドフォンにアイマスク姿、という場合を除いては「結婚を意識してこの場に来ている」ことがわかるため、話すことにも若干手がかりが出てくる。

では、相手から「非リア充」はどう思われているのかというと「ネガティブ」「コミュ障」「だらしない」「インドア」と軒並みろくな印象をもたれていない。

中には「オタク」と混同されているケースもあるが、非リア充はどちらかと言うと「まとめサイトを見ていたら週末が終わった」というような、無趣味タイプが多い。

非リア充と結婚の利点

しかし、以上のような非リア充像は決して結婚相手として悪い、というわけではない。
ポジティブな奴は、慎重さがなく、具体策を考えずにただ前向きで腹が立つという人もいるし、「夫がアウトドア野郎じゃなかったことを神に感謝している」「むしろインドアなところだけは評価できる」と言っているご婦人方も少なくはないのだ。

こんな素敵なアウトドアも、自分でやるのは嫌な人だっているんです。テント代や車代もかかるし…… Photo by iStock

また趣味が多ければ多いほど金がかかる。生計を一にするならインターネットだけで満足してくれる奴の方が安上がりでいい。

結局は「めぐり合わせ」、そして「相性」だ。

結婚相手に望むことを並べていったら「それ非リア充じゃね?」となる人間だって、結構いるはずである。
 

非リア王』/金はないのに寿命ばかり延び、「人生やりきった」と思った瞬間から余生が35年ぐらい続く。長期スパンの戦いが求められる今、「栄光」という人生のピークが高いと、それを引きずる期間ばかり長くなる。だったら「一瞬たりとも栄光期間がない」という人間こそ謙虚かつ強い! そんな“低燃費安定型コスパ最高な生き方”が「非リア充」なのである――ということをカレー沢薫さんが全力で力を抜いて伝えてくれる話題の一冊。文庫新刊記念特別限定公開のFRaU記事も今回が最後。あとは文庫本で是非お楽しみください! 電車で脱力すること請け合いです。