元号が令和になり、雅子妃のティアラが眩しい新天皇皇后両陛下の結婚式当時の映像が繰り返し放送されている。

ところで、Twitter界のとあるエリアの片隅でメシアと呼ばれ君臨している「負ける技術」の天才、カレー沢薫氏も、実は結婚している。自らコミュ障を明言し、押しも押されもせぬ「非リア充の王」のはずだが、結婚している。

しかも、結婚と非リア充について紐解いていくと、なんと「非リア充は結婚に向いている説」が浮かび上がってくるというのだ。

ジューンブライドが近くなってきた5月、キレのあるリア充&非リア充論で溢れている新刊『非リア王』より、その真意を語っていただこう。

結婚という事実が妨害するもの

テーマ「結婚」か。まるでリア充のようだ。

この感覚がすでに非リア充的なのだが、私も結婚している。そしてその結婚しているという事実が、私の営業をガンガンに妨害してくるのである。

私は「非リア充」「負け組」「ブス」など「何でも良いから沈殿物について書いてください」みたいな依頼をよくされる。

誰もキルフェボンについて書いてくれと言ってこない。「あいつ、たまに蓮コラ(注:蓮の花托みたいなコラージュのことだが、ググッた際は閲覧注意)みたいなスイーツ出すよね」と言い出すのがわかっているからだろう。

しかし、どんな低いテーマでも、書けと言われれば、さらなる低みを目指し、深海魚でさえ「ここ水圧厳しい」と言い出す海の底みたいな話を書こうと努力する。
だが、何を書いても「こいつは結婚しているから説得力がまるでない」と一蹴されることが、ままあるのだ。

そのたびに私は、顔を真っ赤にしながら(相手の返り血で)自分は結婚しているが非リア充だと主張するのだが、この主張こそが実に非リア充的行動なのである。

写真はイメージです Photo by iStock

非リア充のマウンティング合戦

昨今、マウンティング、という言葉がよく聞かれるようになった。
学校、会社、同じマンション内等、同じグループに属する者相手に「自分の方が上だ」と示す行為である。

非リア充界隈でも、このマウンティング行為はある。それも「俺はこいつよりはイケている」と言うならいいが、非リア充のマウンティングは「俺の方が非リア充だ」と主張しだすか、もしくは「お前は非リア充じゃねえ」と相手をファッション非リア充認定するのに必死になるという、リア充のマウンティングが相手の上へ上へ行こうとするのに対し、いかに下に潜り込むかに命をかけるのである。

つまり「結婚してるから非リア充じゃない」と言うのは、「結婚していない私の方が非リア充だ」というマウンティングであり、それに対し「今の家に引っ越して5年になるけどご近所さんとの会話5回以下」とか「私の両隣は、ママ友で仲がいい」とか「夫に弟が2人いて、その嫁2人が私と同年代なのですが、どう見ても明るい青春を送っていたタイプで、先日『高校時代にスマホがあったら超楽しかっただろうね』という話をしておりました。私は高校入学前からLINEグループが出来ているという、今の高校生に生まれなくて本当に良かった、命拾いをした、と心から思っていたのでとても衝撃でした」など、思い出したくもない、取っておきのエピソードを披露してまで「自分は非リア充だ」と主張するのもマウンティングである。

もちろんこのマウンティングは、地獄車のように、すればするほどお互い下に転がっていき、「お前らが『俺の方が非リア充だ』と言い争っている時間を、余命いくばくもないワンちゃんにでもくれてやれよ」と思わずにいられないが、非リア充にとっては、どっちがより非リア充かは重要なことなのだ。