令和とともに崩壊か? ある「中国バブル相場」の終焉と、その読み方

注目の「黒鉛電極株」のこれから

バブルの様相を呈していた、製鉄に欠かせない部材・黒鉛電極の国内大手メーカー株がまもなく下落する恐れが強まっている。

環境規制を進める中国が黒鉛電極を使う「電炉式製鉄」を推進した結果、消費量が激増。国際市況が高騰し、従来の数倍となっていた。その恩恵を受け絶好調だった国内大手メーカーだが、中国メーカーの生産増による市況価格の低下や、ユーザーの国内電炉メーカーが中国製に乗り換える動きも出始めるなど、勢いにかげりが見えつつある。

 

営業利益「前期比7倍」のメーカーも

10連休直前の23~26日に東京市場で話題をさらったのが、昭和電工をはじめ、東海カーボン、日本カーボンといった国内大手黒鉛電極メーカーの株価急落だった。

米証券大手シティグループが22日、黒鉛電極世界シェア2位の米グラフテック・インターナショナルの投資判断を引き下げたため、同社株が急落。その連想売りが東京市場での下落につながった。

製鉄には、新日鉄などが行う鉄鉱石や石炭を原料とする高炉方式と、鉄スクラップを溶かして鉄にリサイクルする電炉方式がある。後者では、鍋の中の鉄スクラップを溶かす際に、熱伝導率が高く、融点が3550℃と耐熱性にも優れる黒鉛製の巨大な電極が使用される。

 

この黒鉛電極をめぐっては、中国が2017年から環境規制の一環で大気汚染対策を強化したことが、国際市況の高騰を招いていた。というのも、中国政府は二酸化炭素を排出する高炉方式の製鉄よりも、環境負荷の小さい電炉での製鉄を推奨したため、黒鉛電極の消費が急増したのである。

この流れの中で、日本製黒鉛電極の価格も上昇、電炉メーカーとの18年の年間契約価格は17年の約3倍まで跳ね上がったとされる。

2018年12月期決算では、本業の利益を示す営業利益で、昭和電工は前期比約2.5倍、東海カーボンは約7倍、日本カーボンは約6倍と業績が急上昇した。

こうして「中国需要バブル」の様相を呈してきた黒鉛電極だが、まもなく価格が下落するとみられている。17年半ばから中国メーカーが政府の環境規制への対応を進めており、新たな生産設備が今年後半から稼働し始めるためだ。