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日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」

魚嫌いが増えたわけではないのに…

魚離れが進んだ平成30年間

平成は、魚離れが進んだ30年間だった。

FAO(国際連合食糧農業機関)の調査で、2005(平成17)年まで年間一人当たりの魚介類消費量が世界一だった日本は、2013(平成25)年には7位にまで転落している。

農林水産省の調査によると消費量のピークは1988年で、徐々に下がって2016年にはピークの6割強にまで減ってしまっている。

若い世代は魚介類より肉類を好み、やがて中高年になると魚介類を好むようになる――という従来の図式も通用しなくなっている。

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少し古いデータだが、農林水産省の『「平成18年度 水産の動向」及び「平成19年度 水産施策」』が、世代による魚介類購入量の違いを分析している。

同じ40代でも、昭和10年代生まれより20年代生まれのほうが魚介類購入量が少なく、昭和30年代はさらに少なくなっているという。

水産庁による2010年の国民健康・栄養調査では、全世代にわたって10年前より魚食が減り肉食が増えている。

時代が進むにつれ魚離れが進んでいく要因の一つは、ライフスタイルが変化したこと。世代が下がるにつれ魚介類購入量が少なくなる傾向は、その事実を顕著に示している。

 

昭和10年代生まれは食糧難の時代を体験し、肉類が高級品だった時代に成長している。しかし、昭和30年代生まれは、高度成長期で洋食が家庭にどんどん入って、肉が日常的に食卓にのぼる時代に育った。

昭和30年代以降に生まれた世代は、食糧の選択肢が豊富な時代しか知らない。戦後、国を挙げて食糧増産に力を入れ、コメや野菜の生産はもちろん、畜産も盛んになった。肉を毎日気軽に食べられる環境が整ったのである。

昭和30年代生まれの女性は、昭和の終わり頃に子育て期に入った。平成を通じて魚食離れが進んだのは、肉を日常的に食べて育った世代が、料理するようになったからである。彼女たちにとって、魚は選択肢の一つに過ぎないし、魚料理のレパートリーも多くない。

また、平成には町の魚屋も少なくなった。スーパーでは魚屋のように食べ方を聞けないし、気軽に下処理を頼みづらいので、さばき方が分からない、あるいは面倒だと感じる丸ごとの魚は買いづらくなったかもしれない。