女性関係のルーズさも

それでなくても元夫は何事もきちんとしたい史代さんとは、生き方自体が合わなかった。 

「パチンコでお金を使い過ぎたり、仕事ぶりも不真面目で遅刻が多かったり、営業中にサボって帰ってきちゃったり。子どもが小学校から帰ってきてもまだ家で寝ていて、『お父さんどうしちゃったの?』と言うから、私が慌てて言い訳する、みたいなことも多くて、尊敬できませんでした。

子どもに対してもカッとなると大きな声を出したり乱暴になったりするので、私が常に『もう少しやさしく接してあげてよ』『わかりやすい言葉で話してあげてよ』と言って、それで喧嘩になる感じ。子どもが食べていたアイスクリームを一口せがんでいやがられた、それだけのことで『誰の金で買ったと思ってんだ』と怒鳴ってしまうような大人気ない姿もあったので、子どもたちもしだいに父親から距離を置くようになりました」

何より耐え難かったのは、女性関係のルーズさだった。「一見、明るくて楽しい人」である元夫は結婚当初からとにかく、いろいろあった。

「一人の人に入れ込むみたいな浮気ではないけれど、元カノと親密なメールを交し合ったり、昔の同級生と2人で会っていたり。どこまでの関係だかわかりませんが、結婚している大人ならこういうことはしないだろう、と思うようなことをチョロチョロとする。しかも脇が甘いので、すぐ私に見つかるんです。

『軽率だ』と叱ると、『ごめん、もうやりません』と謝るんだけど、すぐに別の女性と親しく付き合う。それがバレて、また私に叱られる、の繰り返し」

母を亡くした時の風俗通い

妻として嫉妬するというよりは、「呆れた」という感情の方が強く、離婚までは考えていなかった。だが、結婚10年目、史代さんにとって決定的な出来事があった。

「長患いの末、母が癌で亡くなったんです。私は失意の底に落ち込みました。そんなとき、元夫の風俗通いが発覚。お気に入りの子とお店や外でも会っていたみたいで、プリクラが出てきてわかりました。それまでもいろいろありましたが、母を失って辛いこんなときにまで! とがっくりしましたました」

ところがそこで、ふと不思議な感情が降りてくる。

「どうしてこんな思いをしなきゃいけないんだろうと思ったときに、もしかしたら、これは私の人生に課せられた使命なのかもしれない、と。元夫と私、同じような環境で育ってきたけれど、生き方が全然違う。私は一生懸命、向上心をもって人生に取り組んでいるつもりだけれど、元夫はそうじゃない。ではなぜ結婚したのか、それは元夫を更生させるために神様が仕組んだからではないか。それなら、すべて許しましょう、そして元夫を正しい道に導きましょう、思ってしまったんです」

元夫に「あなたのしたことはわかっているけれど、忘れるからやり直そう」と伝えたところ、元夫は「ごめんなさい! もう絶対行かない、二度と行かない」「これからは家族にも向き合ってきちんと生きる」と改心を誓ったのだった。