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人生再設計で「70歳まで働け、年金はない」と言われて絶望する前に

10年後、20年後も幸せに生きる戦略

おれの会社人生はなんだったのか

70歳定年がいよいよ現実味を帯びてきた。

2017年に「人生100年時代構想会議」が立ち上げられて以降、文字通り「死ぬまで働かなければならない」雰囲気が日増しに濃厚になって来ている。

 

しかし、世間の関心といえば、仕事や健康、お金に関する話題にばかり集中しており、それら全ての土台であり、心理的安定性の基盤となる「コミュニティ」の重要性は見過ごされることが多い。

ここで言うコミュニティとは、家族や地域社会、各種利益団体、サークルなどにおける友人関係などを含む、多様な人的ネットワークのことだ。

「今まで会社の物語で生きていた人たちが、最後までそれで生き切ることができなくなってきている。かつてはそれが日本のお父さんにとって大きな物語だったわけです。ただ、今後はそれだけだと定年以降の人生を支えるものがない。『ナントカ会社に30年勤めたおれ』で余生を送ることができなくなっているんです。

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今の時代は、定年までの間に会社とは別のストーリーが少なくとも一個は必要で、それはコミュニティと呼ばれるものともの凄く関係があります」

こう述べるのは、法政大学キャリアデザイン学部の廣川進教授。メンタルヘルスとキャリアの統合などを研究テーマにしており、企業へのコンサルティングなどに携わりながら、人生100年時代のキャリアのあり方について模索している。

廣川教授は、会社に人生を預けてしまう従来型のライフスタイルの先には、「部長ではなくなる」、「年収が3分の2に減る」、「名刺の肩書がなくなる」等々、ポジティブな未来像は期待できないと話す。役職定年を迎え再雇用などを経て、最終的には「会社」という所属先が失われる。

つまり、新卒採用で入社した人の場合は、人生で初めて「ただの人」「社会的身分のない人」になるのだ。

「そうした人の声なき声をあえて言語化すると、『おれは果たして会社から評価されていたんだろうか?』となります。オセロに例えるなら、今まで全部白だと思ってきたものが最後の1つが黒になった途端、全部黒にひっくり返るみたいなことです。『おれの会社人生は一体何だったのか』というふうになりかねない。