米大統領選・民主党「注目6候補」はトランプに勝てるか

橋爪大三郎の「社会学の窓から」⑬
橋爪 大三郎 プロフィール

「自分こそがトランプを打倒できる」と説得できるか

民主党支持者はいま、大統領選挙で、トランプに勝てる候補を探している。中道寄りで浮動票(スウィング・ボート)も取り込める候補。そして、接戦の州(スウィング・ステイツ)で勝てる候補。

バイデン候補は、中道寄りで、しかもペンシルヴォニア州を地盤にしている。ペンシルヴァニアはスイング・ステイツの大票田で、トランプ大統領の再選のカギを握る。だから、バイデン候補のビデオ・メッセージが流れると、トランプ大統領は記者の前で「立派な人びと」発言の釈明をしなければならなかった。

だがバイデン候補には、弱点も多い。幾人もの女性に「不適切なボディータッチ」をした過去が、出馬表明の機会に蒸し返されている。その昔、最高裁判事のセクハラ疑惑が問題となった上院の聴聞会で、委員長としての采配に不手際があったと批判もある。

これから政策の話になると、サンダース候補やウォレン候補や若手の候補らに、押され気味になるかもしれない。

 

予備選を勝ち抜こうと思うと、民主党の候補はどうしても左寄りになる。英語では、プログレッシブとかリベラルとかいう。医療保険改革とか、教育無償化とか、中間層の減税とか、耳当たりのよい政策を並べたくなる。2016年にサンダース候補が支持を伸ばしたのも、この力学だ。

見渡したところ、バイデン以外の候補は、それなりに左寄りだ。それでも中道色がやや濃いのは、オルーク候補とハリス候補だろうか。

民主党候補の顔ぶれをみると、特徴がある。マイノリティ出身の候補が多い。能力の高い人材が揃っている。ほぼ全員がプロテスタントだ。そして、強みと同時に、それぞれの弱点をもっている。

弱点を乗り越え、民主党をまとめて、自分こそはトランプを打倒できる、と説得できるか。当選できる(エレクタビリティ)と信じさせられるか。

バイデン候補に続く注目の候補については、明日に紹介しよう。