米大統領選・民主党「注目6候補」はトランプに勝てるか

橋爪大三郎の「社会学の窓から」⑬
橋爪 大三郎 プロフィール

バイデン氏「支持率上昇の理由」

バイデン候補のビデオ・メッセージは、何がよかったのか。

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政策の話はしなかった。彼はカメラ目線で、とつとつとこう語った。この国は、これでいいのでしょうか。もしもトランプが再選され、8年も政権が続いたら、アメリカの根本的な価値が壊されてしまいます。だから私は、黙ってみているわけにはいかなかったのです。

「人間はみな等しく造られた」というトマス・ジェファソンの言葉、自由の女神を仰ぎみる移民たち、硫黄島で星条旗を掲げる兵士、演説するキング牧師、……走馬灯さながらに、アメリカの理想と先人の歩みを想い起こさせる。

続けて、シャーロッツビルの衝突が描かれる。松明をかざして行進する白人至上主義者やネオナチ。反対する学生たち。そのさなか、学生一人が命を落とした。トランプ大統領は、どちらの側も立派な人びと(ファイン・ピープル)だ、と言った。

立派な人びとだって? 差別や憎しみが大手を振って歩くのを、見過ごそうというのか?トランプ政権に脅かされている弱い立場の人びとの、心に響いたのである。

バイデン支持者の内訳をみると、白人は29%なのに対し、非白人は50%。非白人の人びとのあいだで支持が高い(4月末のCNN調べ)。問題を何でも移民のせいにしてしまうトランプ政権のやり方に、危機感を深めているのが、この人びとなのだ。