画像:Youtubeより

「脆弱すぎるヘルメット」動画が告発した中国労働者の命の値段

批判沸騰、当局はもみ消し

出稼ぎ現場労働者の告発

4月11日、ネットの動画アプリ“快手”に“小眼哥阿群(小っちゃ眼兄貴の阿群)”というニックネームを持つ人物が「“一線工人安全帽(現場労働者の保安帽)”」と題するわずか33秒の短い動画を投稿した。

“快手”は最大57秒の動画を投稿・共有できるアプリだが、当該動画は現場労働者の保安帽が卵の殻のようにもろく壊れる危険な状況を告発したものだった。その内容は動画を見た人々を驚愕させ、たちまち中国全土に拡散されたことで中国社会に熱い議論を巻き起こした。

中国語の“安全帽”とは工事現場などで作業する労働者が安全のためにかぶるヘルメットを意味する。“安全帽”は日本では一般に「保安帽」と呼ばれるが、中国と同様に「安全帽」と呼ばれることもあるので、この記事では動画の題名に合わせて「安全帽」と呼ぶことにする。

 

それでは中国社会に一石を投じて論争を引き起こした動画とはどのような内容だったのか。

1)画面には後方で多数の労働者が見守る中をくまのプーさんに似て、人の好さそうな顔付きの労働者が黄色の安全帽をかぶって登場する。彼はかぶっていた黄色の安全帽を脱ぐと、それを右手に持ち、左手に持っていた赤色の安全帽と並べて胸の前に掲げた。そして、彼は「今日は安全帽の強度試験を行ってみたいと思います」と述べると、やにわに2つの安全帽の頭頂部を力一杯打ち合わせた。すると、黄色の安全帽の頭頂部は卵の殻が割れるように見るも無残に打ち砕かれ、衝撃に対するもろさを露呈した。

2)彼は2つの安全帽を両手で掲げ、破損した黄色の安全帽を前に突き出して「これが工事の現場で配られた現場労働者の安全帽です」と言い、続いて何の損傷もない赤色の安全帽を前に突き出して「これは“領導(現場監督)”の安全帽です」と述べた。

彼は笑いながら赤色の安全帽をカメラに向けて、「ただし、一番頑丈なのは何と言っても“監理(監督管理者)”の安全帽です」と述べると、右手に持った黄色の安全帽に赤色の安全帽を何度もぶつけて粉砕して周囲の枠だけの残骸にすると、「我々現場動労者の安全帽はこんなものです」と無愛想に言うと、完全に破壊された黄色の安全帽を無造作に投げ捨て、「それではこれで終わります」と述べて動画を終えたのだった。

Youtubeにコピーされ出回った画像

この動画を撮影・投稿した“小眼哥阿群”というニックネームを持つ人物は、レンガ職人の竇(とう)さんだった。竇さんが動画を通じて暴露した現場労働者用の低品質な安全帽の実態は世間の注目を集め、当該動画はわずか1週間で再生回数が200万回を超えるほどの評判となり、竇さんは一躍時の人となった。