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令和の次に生まれる、「運命を背負わなかった」天皇の姿とは?

「危機」はすでに始まっている

にぎやかに終わった令和の改元

朝刊を開いたら、折りこみのスーパーマーケットの広告に「祝 令和記念セール」という文字が躍っていた。

新元号をめぐっては、発表前から多くの予想がとびかい、発表当日はテレビで特別番組が組まれ、その後もさまざまな評価が語られ、さらに1ヵ月もたたないうちに考案者がほぼ特定されるなど、これまでの改元では考えられなかったにぎやかな様相を呈した。

 

新天皇の即位後朝見の儀でも、女性皇族方が華やかなドレス姿で参列して、厳かながら明るい雰囲気のなかで、最初のお言葉が述べられた。

テレビでは、平成の即位の際の映像なども示されていたが、全員が喪の服装で、実に沈鬱である。前天皇の崩御による代替わりと、退位によるそれとでは、儀式のありかたも社会の受けとめようも全く異なると、あらためて感じた。

新たに定められた「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」に従った展開とはいいながら、前天皇がその治世の幕を引いた「退位礼正殿の儀」は、国民に強い印象を残し、新天皇の即位はおおいなる祝賀ムードの中で行われた。新しい方式の御代替りそのものは、ひととおりの成功を納めたといえるだろう。

だが、その先はどうなるのだろうか。

いよいよ迫ってきた承継問題

皇位継承権を持つ成年皇族のみによる「剣璽等承継の儀」に出席したのは、新天皇と秋篠宮、退位した前天皇(上皇)の弟の常陸宮という、わずか3名であった。新天皇の次の世代の男性皇族としては、中学生になったばかりの悠仁親王がいるだけである。

皇室典範には、天皇位の男系男子による継承が定められており(第1條)、皇族男子のうちの継承順位についての規定がある(第2條)。

同時に継承者である皇嗣について、「皇嗣たる皇子を皇太子」、「皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫」と称すると述べられ(第8條)、実のところは男系直系男子による継承を超える事態は想定されていないようにみえる。

このため、新天皇に男子がなく、弟宮が後継者となる今回のケースでは、秋篠宮の称号をどうするかが問題になったのである。

また、現行の皇室典範に従えば、女性皇族は結婚すれば皇籍を離れるので、このさき皇族数の減少は必至である。近い将来、皇族が悠仁親王ひとりになってしまう恐れさえある。天皇制を安定的に継続させるのならば、なんらかの方策を講じることが必要なのはあきらかだろう。

今後、女性天皇や女系天皇(女系を通じてのみ天皇家の血統につながっている天皇)、女性宮家等についての議論が行われるか、あるいは、あくまで男系天皇を貫く方針をとるのか、いずれにしても状況は切迫している。だが、ほかにも問題があることには、あまり触れる人がいないようだ。