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「女子力」という言葉は、どんなふうに私たちを呪縛しているのか

アンケート調査から見えてきたこと

世間は「女子力」をどう捉えているか

みなさんは「女子力」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。Yesと答えてくれる人が多いことでしょう。それでは、「女子力」という言葉をどう思いますか、好きか、嫌いか? どちらでもない?

数年前、私は学生と一緒にこの言葉について調査しました。

というのは、私は、ジェンダーについて日本社会が今どんどん変容していると考えているからです。ジェンダーが社会的なものである以上、常に変わり続けるのは当たり前だとも言えますが、問題は、その変化が大きいあまり、それにわたしたち個々人がついていけず、その結果、ジェンダーをめぐる社会の実態についての認識があいまいになってしまっていることです。

私たちは、ジェンダーをめぐる言葉の意味すら共有できていません。たとえば、女性の「社会進出」によって差別は改善されてきたと考えている人が多いですが、「社会進出」という言葉ほど怪しい、ふわっとしたものもない。

女性は昔から「社会」に存在してますし、家事だけでなくいわゆる仕事もしています。近年の変化でいうならむしろ、女性の非正規労働化のほうが深刻なのですが、「社会進出」という言葉が、その辺をぼかしてしまいます。

こうしたジェンダーをめぐる、ふわふわした言葉の代表的なひとつが「女子力」です。
「女子」や「女子力」という言葉は、使うひとによってだいぶ意味が違っています

例えば世代という要因。50代以上のひとは、この言葉に対して、「女性の権利を訴えるため」といった力強いイメージを与えています。「女子」を冠するデモやパレードなどをイメージしていると考えられるでしょう。

マスメディアなどでも、そういう傾向があります。そうした流れのなかで「女子」をまちおこしや市民参加の部署名に冠する自治体も出てきました。ポジティブな、新しい時代を感じさせるイメージの「女子力」ですね。

ところが、私の周りの学生などに聞くと、どうもそうした単純にポジティブなイメージだけで語っているわけでもなさそうです。

こうしたギャップをきっかけに、女子力という言葉についての調査を思いついたのです。

調査の結果、見えてきたのは、「女子力」という言葉がいかに女らしくいるよう努力すること」を評価するものであるかということ、その結果、この言葉が女性に「努力」を強いるものになっているということ、そして、その背景にある社会の変化です。

 

女性のほうが「女子力」が嫌い

では調査を紹介していきます。2013年に愛知県内の7大学で782名の学生に協力してもらいました。

回答者の98%が「女子力」という言葉を知っていました。「女子力」という言葉が好きか嫌いか聞いたところ、男女で比較すると女性のほうが男性より、「嫌い」「どちらかというと嫌い」と答えた割合が多いですが、男女ともに「嫌い」より「好き」の方が多くなりました。

回答者が女性
回答者が男性

次に、「『女子力』という言葉において内面と外見どちらを重視するか」を聞いたところ、男女ともに「内面」を選んだ者が多かったです。