「連ドラ主演の平均年齢」、いつの間にかこんなに上がっていた

若者のテレビ離れも当然?
高堀 冬彦 プロフィール

テレビ局のジレンマ

物議を醸しているのが、日曜午後10時30分からの「あなたの番です」。田中圭とともにアラフィフの原田知世が主演していることに賛否両論あるようだ。が、これも幅広い層を狙うなら不思議ではないキャスティング。ストーリーを考えても原田は適任だろう。

そのストーリーはこうだ。東京・両国のマンションに引っ越してきた未入籍カップル(原田、田中)の周囲で、住民やその知人が次々と謎の死を遂げる。住民たちが、ゲームとして「殺したい人物」の名前を紙に書き、それを住民同士で交換したところ、本当に連続殺人が始まってしまうのだ。犯人はまったく分からない。

核にあるストーリーが殺伐としたものなので、いくつになってもピュアなイメージを失わない原田が一服の清涼剤となっている。また、原田は恬淡としている人物を演じるのがうまく、そんな役が多いが、この作品でもそう。これもいい。

彼女は事件の推理役でもあるのだが、謎を解く人物の感情の起伏が激しいと、ミステリー作品はぶち壊しになりかねない。ホームズをはじめ、ポアロもコロンボも金田一耕輔も、推理役は謎が解けるまでは静かなのである。見る側に謎解きを楽しませるためだ。

共演陣には生瀬勝久(58)、木村多江(48)、片桐仁(45)ら演技巧者が揃った。第2話までの平均視聴率は7・4%。やや苦戦気味だが、お買い得の作品だと思う。

 

視聴率争いで日テレと競い合うテレ朝は、「特捜9 season2」(水曜午後9時)「科捜研の女 season19」(木曜午後8時) 「緊急取調室 第3シーズン」(同9時)の3作品がいずれも10~13%の好視聴率。絶好調だ。残る課題は、若い視聴者をより増やすことだろう。テレ朝のドラマは、伝統的に中高年以上に向けてつくられることが多い。

TBSも好調と言える。吉高由里子主演の「わたし、定時で帰ります」(火曜午後10時)と福山雅治主演の「集団左遷!!」(日曜午後9時)は、ともに古くからTBSが得意とする“お仕事ドラマ”ということもあって、安定している。安心して見られる。

中高年以上も若者も楽しめるはず。ともにオフィス内にはさまざまな年齢層の登場人物がいて、見る側が自分を投影しやすい。

視聴率は「集団左遷!!」の初回が13・8%、「わたし、定時で帰ります」の初回は9・5%だったが、2話で10・4%に伸びた。

主演の山下智久が右腕は義手の天才医学者に扮する医療ミステリー「インハンド」(金曜午後10時)もいい。原作は同名漫画ということもあって、やや荒唐無稽な部分もあるが、山下がクールな医学者を好演することで、重厚な雰囲気になっている。やはり若者も中高年以上も楽しめるだろう。2話までの平均視聴率は10・5%だ。

最後にフジ。月9の「ラジエーションハウス」(月曜午後9時)は好調で、3話まで連続で視聴率10%超えをはたしたが、「パーフェクトワールド」(火曜午後9時)と「ストロベリーナイト・サーガ」(木曜午後10時)は苦戦中である。

フジは主演者の平均年齢が全局の中で唯一、20歳代。それが悪いとは思わないが、ストーリーや演出にも若さが見え隠れする気がする。よりストーリーを練り上げることなどによって、さらに幅広い視聴者層に見せるよう努めるべきではないかーー。すると、視聴率も自然と上がるに違いない。

中高年以上を切り捨てるテレビ局は視聴率争いで勝てない。ただし、若者をないがしろにするテレビ局には将来がないのだ。