# 日本経済

令和の日本経済を復活させるために必要な「10の経済政策」

財政と家計の破綻を避けるためにも…

立ち行かなくなる可能性も…

早いもので時代が令和に変わり、今日で1週間になる。振り返れば、平成は平和で穏やかだったものの、経済的には停滞と後退が続く時代だった。

GDPは中国に抜かれて世界3位に後退、潜在成長力はマイナスに陥った。2017年のドルベースGDPは4兆8732億ドルと2010年の0.9倍に縮小し、平成末の日経平均株価は昭和末の6割にも満たない水準にとどまった。

賃金が伸びず、消費が盛り上がらなかったことも周知の事実である。国家財政も悪化の一途を辿っている。このままでは、高齢化と人口減少に伴う社会保障費負担の増大に押しつぶされて、令和の家計が立ち行かなくなっても何の不思議もない。

活力を取り戻すには、成長力の回復が不可欠だ。それにより、膨張を続ける社会保障費を賄ったうえで、活発な消費が起きる安定成長社会を築く必要がある。

今日は、その活力回復に必要な10のカギについて考えてみたい。

 

ゾンビ企業の支援を止めよ

まず、第10のカギは「リスクキャピタルの充実」だ。リスクキャピタルとは、 一般的に企業が調達する資本のうち、ビジネス・リスクを負うものをいう。ただ、日本ではリスクキャピタルと言うと、上場企業株への投資が連想されがちで、これから設立しようというベンチャー企業への投資や成功の可能性は未知数だが当たれば大きい事業への投資市場があまり整備されていない。

長年の懸案とはいえ、そうした状況が放置され、アメリカのシリコンバレーなどと比べて有望なベンチャービジネスが育たない環境が放置されてきた。これらの市場の整備が急務である。

第9のカギは、ゾンビ企業支援の取りやめと官民ファンドの解体だ。経営に失敗して、市場から退場すべきゾンビ企業を国策支援で生き永らえされば、市場を歪めるだけでなく、とんでもないツケを国民に回すことになりかねないからである。   

典型的なのが、東京電力への国策支援だ。東京電力は、東北電力の女川原発のように巨大津波に備えて原発を高台に築くなどの対策を講じることがなく、世界最大級の原子力事故を引き起した。巨額の事故処理費用が必要になり、破綻に瀕したにもかかわらず、様々な形で国が肩代わり・支援する状況が続いている。

その費用に関する経済産業省の試算は、2011年に6兆円、2013年に11兆円、2016年12月に21.5兆円と膨らんできた。一方、老舗の民間シンクタンク・日本経済研究センターはより巨額な事故処理費用が必要で、その金額は35兆円から81兆円と試算している。

政府は、このおカネを捻出するために、国営とし、湯水のごとく公的資金を注ぎ込んでいる東京電力に、電力自由化と称して関西や中部、東北地区で安売り競争をさせ、福島第一原発事故の責任を不問に付したうえで、柏崎刈羽原発の運転再開を優先的に押し進めてきた。事故処理資金の大半は最終的に、税金と電力料金に衣替えして国民負担に転嫁されることになっている。

ひどいという点では、政府系の官民ファンドも大同小異だ。安倍政権で次々と設立され、現在13も存在し、概してゾンビ企業の国策支援の隠れ蓑になっている。

その役立たずぶり、無駄遣いぶりを浮き彫りにしたのは、経済産業省傘下の老舗官民ファンドの「産業革新機構(現在のINCJ)」だろう。産業革新機構は、日立製作所、東芝、ソニー3社のお荷物だった液晶事業を統合して2012年に発足したジャパンディスプレイ(JDI)に再三にわたって資金供与してきた。

ところが、JDIは今年4月に台湾・中国企業連合から800億円の支援を仰ぎ、この連合の傘下に入る決定をした。産業革新機構の唱えた「日の丸液晶の復活」という夢は経済・経営知らずの官民ファンドの夢想に過ぎず、公的資金が水泡に帰した。こうしたゾンビ企業や官民ファンドは速やかに精算すべきである。