元経済ヤクザの告白「私が2億の損失を抱えても日産株に期待するワケ」

これは、株式市場を試すある実験だ

平成最後に2億の損失

世間はGWが明けたところだろうが、私は令和最初の5月1日にこの原稿を書いている。あえて日付を記すのは、今回のテーマが、意図的に抱えた株の損失を逆転すること、だからだ。

私は平成最後の株取引で約2億2000万円の損失を抱えてしまった。その原因となったのは「日産」「大塚家具」株である。しかし、まったく悲観していない。なぜならば「逆転」までの筋書きを用意しているからだ。

現在の株式市場には仮想通貨で味を占めた「投機家」が溢れ目先の利益だけを目的にしているが、私は違う。本当の意味での「投資」と、最先端のAIによる「アイスバーグ」がぶつかり合う株取引を学んでもらいたい。

 

ある実験

元々私には「蓄財」への執着は薄く、マネーが増えていくというゲーム性に強く惹かれている。黒い経済活動から身を引いたことで、いまは「投資そのもの」を楽しめるようになったのだ。

そんな私はいま、株式市場を舞台に、ある実験を行っている。

4月26日の平成最後の取引後、私はTwitterで自身の評価損益合計をこう明かした。

現物 -222,302,900円 (-3.9%)

これが意味するところは、この時点で約56億4000万円(222,302,900÷3.9%)の現物株を保有し、約2億2000万円の含み損を抱えているということだ。この損失の原因となったのは、スキャンダルが続いていたにもかかわらず、あえて買い増しを続けた「日産」と「大塚家具」の2銘柄だ。

なぜ損失が出るとわかっていて、この二つの株を買い続けたのか。そこに私の戦略がある。まずは「日産」から説明しよう。

日産株に期待する理由

日産株が下落した大きな原因は、いうまでもなく元会長のカルロス・ゴーン氏(65)に関する一連の事件によるものだ。日本を代表する自動車メーカーのスキャンダルは、日産の株価を著しく低下させた。

しかし日産の「配当」をみると、15年42円、16年48円、17年53円で、18年度の配当は中期28.5円、期末28.5円(予定)で、57円(予定)となっている。推移を見れば、企業としての日産は明らかに成長していると言えるだろう。4月26日時点で私の保有する日産株は1株880円となっている。

【PHOTO】gettyimages

一般的に株式投資では、配当益や優待などの「インカム・ゲイン」より、「キャピタル・ゲイン」(売買益)を重要視する。私も当然その一人だ。だが1株880円に対して57円の配当であれば、運用利益率は約6.4%(=57円÷880円)となる。だまっていれば、私は1年で1億円あたり約640万円を得ることができるのだ。

約56億円の資産比率(ポートフォリオ)は明かせないものの、これほどおいしいインカム・ゲインはない。株価が下がれば下がるほど、運用利率は上がる。ゴールデンウィークが開けても日産株が下がり続ければ、「買い」の一択しか私にはあり得ない。

そうはいっても、日産の業績悪化による配当益減や、株価の下落が続けば損をするのでは、という疑問の声はあるだろう。だが私は、日産が今年度も業績も伸ばして、株価も回復どころかさらに高値になると読んでいる。

その判断の根拠となるのがEV(電気自動車)技術だ。

2017年、日産、ルノー、三菱自動車は新6カ年計画「アライアンス2022」を発表した。日産はすでにEV「リーフ」などを市場投入しているが、この「アライアンス」には「EVの領域でリーダーの地位を強化」することが明記されている。20年までの目標として、新EVモーターとバッテリーの投入、22年までにEVの航続距離600km、15分の急速充電で走行可能な距離を230kmに拡大(16年は90km)、バッテリーコストを30%削減……など具体性なものを掲げている。

これまでトヨタはEVを「近距離用のニッチな車両」と見て市場投入してこなかったが、17年発表の電動化戦略で、20年にEVを市場投入すると発表した。あのトヨタが戦略を見直すほどEV市場は拡大しているということだ。同時に日産のEVのアドバンテージはしばらく続くということも明らかだ。

今後、自動車生産の現場にはIT技術が本格的に導入されることが予想されている。このことによるさらなる合理化も、ゴーン氏による暴力的な「コストカット」を経験した日産にとって、そう難しい問題にはならないだろう。

こうした要素を複合的に考えれば、日産の成長は手堅いのだ。ゴーン氏によってもたらされた「日産株の含み損」は「恵み」以外の何者でもないことが理解できるだろう。

私が2億円以上の含み損を抱えていることを心配をするツイッターのフォロワーも多くいたが、ここで考えなければならないのは、トレードには「有意義なマイナス」と「無意味なマイナス」が存在することだ。配当の根拠、企業の将来性、いま株価を下げている原因がなんなのかを精査し、「有意義なマイナス」という結果を導きだし、そこに将来性を見出すのが投資だ。

「上がる」方向だけでしか考えず、狙った銘柄が下がった時に、あわててロスカット(損切り)するのは「投機家」に見られる一番の悪手だと言えるだろう。投機はギャンブルだが、投資は将来確実なリターンを得るための思考のゲームであることを忘れてはならない。

しかし、それが分からない連中のなんと多いことか。