13歳の時は、女子グループの中で
自分のキャラを探すのに精一杯

今日は学校に行きたくないなぁ

誰でも、思春期の頃一度や二度はそんなことを思ったことがあるはずだ。仮病を使って、実際に学校を休んだ人もいるかもしれないし、勇気を振り絞って学校に行ってみたら、簡単に問題が解決したことだってあるかもしれない。とにかく、子供が、義務教育としての権利を放棄したくなるとき、そこには大人が想像する以上に、深刻な悩みが存在するものだ。でも、それが大人になると、なぜあの時学校に行きたくなかったか、その理由を忘れてしまったり、当時重大だった理由を、今考えれば取るに足らないことだったと振り返ったりする。

でも、果たしてそれは、本当に取るに足らない理由だったのか。 

現在公開中のアニメーション映画『バースデー・ワンダーランド』は、女子グループを仲間外れになりそうな友達の力になれずに、モヤモヤを抱え、仮病を使って学校を休んでしまう主人公・アカネのエピソードから、物語は始まる。アカネは12歳の小学6年生。アカネの声を担当した松岡茉優さんも、思春期の頃は、女子グループの中で、自分のキャラクターを探すのに、苦労したことがあるという。

撮影/村田克己
松岡茉優(まつおか・まゆ)
1995年生まれ。東京都出身。2008年から、テレビ東京の子供向けバラエティ番組『おはスタ』で、おはガールとして活躍。13年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に出演。GMTのメンバーとして同年NHK紅白歌合戦にも出演。『真田丸』(16年)でNHK大河ドラマに初出演。17年、初主演した映画『勝手にふるえてろ』が第30回東京国際映画祭でジェムストーン賞を受賞。18年、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』にも出演。鮮烈な印象を残した。公開待機作に『蜜蜂と遠雷』(10月4日公開予定)、『ひとよ』がある。

「小学校6年生までは、休み時間の鐘がなると速攻で校庭に行って、男の子たちと汗と泥にまみれながらドッジボールをする、そんな子供でした。学校から帰ると、ランドセルを放り投げて、公園に行っては泥団子をいかにピカピカに作れるかに命をかけるような(笑)。髪の毛もボサボサで、肌も真っ黒に焼けていて。“女子”としての自覚がなかったんです。

中学に入ると、徐々に“女子”としての自覚が生まれました。中学2年生になったタイミングで、『おはスタ』の“おはガール”としてテレビに出るようになったのですが、その頃は、クラスの女子グループに所属していて、私は、みんなを笑わせる役でした。ピエロ役ですね。『物真似してよ』と言われたら、内心『嫌だな』と思っても頑張っちゃう、みたいな。グループの中で、自分のキャラクターを探すのに精一杯で、無理をしていたんだと思います。

一度、お揃いのキーホルダーをつけていなくて、『なんでつけてないの?』って言われて、焦ったことがありました。それは、映画の中の女子グループのエピソードにそっくり。私はお調子者の役回りだったので、『忘れちゃった、明日は絶対つけてくるね』と明るく言い訳することで、仲間外れになるのを回避できましたが。でも、もしそれがきっかけで仲間外れにされたりしたら、13歳の私にとっては、不登校になるかならないかぐらいの、大事件に発展したかもしれません」