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本当にお客様は神様なのか…?客の「迷惑行為」驚愕の最新事例

美容師に対して「髪の毛返せ!」 

店員の一挙手一投足が批判の対象になる時代。次第に増していく客の横柄さは、歯止めが利かないところまできている。今週の『週刊現代』では、そんな暴走する「スゴい」客を特集している。

「これで勘弁してやる」

東京都港区にある大手牛丼チェーン「吉野家」の店員が嘆息して言う。

「2ヵ月前、お客様に50円引きのクーポン券を配るキャンペーンをしていた時のことです。ある女性のお客様に、クーポン券を出し忘れてしまいました。

すると、そのお客様が『私にだけクーポンがないのは女性差別だ!』とレジの前で大声を上げられたのです。

慌ててお詫びしてクーポン券をお渡ししたのですが、『傷ついたから、今日の会計はタダにしなさい!』と凄まじい剣幕で迫ってきました。騒ぎ続けられては困るので、おカネは受け取らずに帰ってもらいました」

ほとんど恐喝のような言動だが、驚くなかれ、この女性のような「スゴい客」は増加している。

'17年にUAゼンセンが接客対応の部署に勤める男女5万878人に実施した「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査」によると、49・9%が「客の迷惑行為は増えている」と回答した。

冒頭の女性客のように、店員の些細なミスにかこつけて、過大な要求をするのは、「迷惑行為」そのものだ。クレーマーについて取材をした経験のある、ジャーナリストの森健氏が語る。

「一般的なクレーマーには、大きく分けて二つのタイプがあります。一つが、金銭を要求する人。もう一つが、店員より優位に立つことで快感を得ようとする人です」

今回、本誌が飲食店や販売店、その他サービス業に従事する人々に取材をすると、世の中には理不尽な「もの言うスゴい客」が溢れていることがわかった。そのエピソードの数々を紹介しよう。

 

■タイプ① 金銭要求型
もっとも多いのは「カネを返せ」と文句を言う客だ。冒頭の吉野家店員が遭遇した女性客も、このタイプに分類される。

金銭だけでなく、購入した商品の交換を要求されるケースもある。福岡県福岡市にあるデパート内の衣類販売店店員は、靴下を購入した客の傍若無人ぶりに泣かされたという。この店員が語る。

「昨年、中年の男性が一足の靴下を手に、店頭にいらっしゃいました。どうされたのか尋ねると、『1ヵ月前に買った靴下に穴が空いた。5回しかはいてないんだから、不良品だ!』と怒鳴りはじめたのです」

男性が持参したレシートを見ると、確かに1ヵ月前、この店舗で購入したものだった。

だが、既に着用している以上、返品はできない規定になっている。そもそも、本当に5回の着用だったのかも怪しいほど、靴下はくたびれていた。

しかも、男性は「新しい靴下を2足、新品で用意しろ」と言いだした。わけを尋ねると、不機嫌な表情でこう言った。

「今日、ここまで歩いたことで、俺の靴下がすり減った。だから、穴の空いたヤツと合わせて2足分弁償する義務がある」

啞然とさせられる論理だ。結局、店舗責任者との協議の結果、男性の怒りを鎮めるために、無償で靴下1足を交換した。

店員が言う。

「男性は、『今回はこれで勘弁してやる』と吐き捨てて帰りました。あんな人に『お客様』として対応しなくてはいけないなんて、納得できませんよ」