「データ資本主義」への対抗こそ、令和時代のニッポンの課題だ

対抗企業の育成も重要

規制の方向性は定まった

金融資本主義からデータ資本主義へ――。

令和時代が幕を開け、資本主義を動かす中心エンジンが、金融からデータへと移行する。際限なく蓄積されたデジタルデータが、人や企業を数値化して、望むものを希望するところに適正価格で提供する。

この快適な環境に抗うことは出来ず、だからデジタルデータを握るGAFAと呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのような米の巨大プラットフォーマーが、テンセント、アリババなど独自のプラットフォーマーを育てた中国(圏)を除く、世界の資本市場を席巻した。

令和時代の課題が、GAFAを柱とする巨大IT企業対策であることは、あまねく認識されており、平成最終年から準備を整えていた政府は、4月24日までに最終報告案をまとめた。それを踏まえ、今後、詳細な制度設計にとりかかる。

 

巨大IT企業規制の方向性は定まった。

第一に、公正取引委員会がデータの独占を監視する。具体的には、個人データの不当な取得に走らないよう巨大IT企業に独占禁止法を適用、企業買収などにおいてもデータの独占にならないように牽制する。

第二に、個人情報の保護である。巨大IT企業は、原則、タダで地図や検索サービス、各種アプリやメールサービスを提供、その見返りに本人の年齢性別、趣味嗜好、行動範囲や生活パターンなどの情報を取得してきた。その個人情報の無制限利用を、個人情報保護法の改正や広告などへの利用の際の「停止権」の新設などで規制する。

第三に、課税ルールの見直しである。巨大IT企業はネットを利用して、国境を越えて事業を展開。そのため、支店や工場などの「拠点」に課税する現行のルールでは対応できず、納税地を自由に選択され、「税逃れ」を許してきた。課税には国際的な枠組みが必要だが、既に20ヵ国・地域(G20)首脳会議は、20年までのルール確立を目指している。

EU(欧州連合)には、昨年5月25日に運用を開始したGDPR(一般データ保護規制)がある。氏名、年齢、住所はもちろん、顧客サービス、位置データ、生体認証データなどはすべて個人データと見なされ、その処理や移転には本人の同意が必要となった。人種、宗教、思想信条などにはさらに厳しい使用制限が加えられている。

これもGAFAなど巨大IT企業対策で、他にEUは、グーグルに対し独占禁止法に違反したとして、これまで何度も巨額制裁金の支払いを命じている。19年3月には、14億9000万ユーロ(約1900億円)の支払いを命じたばかりだ。

課税に関しても同様。EUとしてのデジタル課税は、巨大IT企業を誘致してきたアイルランドの反対などで合意に至っていないが、仏、独などは単独での課税も検討、英には既に、「グーグル税」と呼ばれる利益迂回に対する課税処分がある。日本のG20対応を柱とするデジタル課税は同じ発想だ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら