「GW10連休」と呼ばれていたものも、あと数日で終わる。みなさんはどのように過ごしてきただろうか。長期休暇のあとに多くの人が(仕事人であれ、学生であれ)、とりつかれるのが「逃避したい願望」。いわゆる5月病である。

そこで参考にできる! と言い切れるのが非リア充の技だ。なぜなら、常に逃避したい思いに付きまとわれているからである。逃避願望のプロとも言えるのではないだろうか。

Twitter界の隅っこで王のように君臨する負ける技術の天才、カレー沢薫さんは、自らコミュ障、非リア充を明言している。キレのあるリア充&非リア充論であふれている最新刊『非リア王』より、ネットで初公開、5月を恐怖に感じる仕事人たちへのラブレターをお届けしよう。

無職の勇気はないのだ

5月を迎えて、読者の中には自殺を考えている人も多数いるかと存じ上げる。

ちなみに私は死なない、担当編集者がまだ生きているからだ。
つまり今回のテーマはズバリ「仕事」である。

非リア充の仕事と言ったら何を連想するであろうか。無職、ニート、週休7日、終わりなき夏休み、エンドレスバケーション、あたりが妥当かと思われる。

しかし、これは誤解であり、非リア充は意外にも意外と働いているのだ、意外に。
なぜなら、無職やニートをやるには割と度胸が必要なのだ。

無職やニートというのは、ミドリムシとかでなければ、誰かに食わせてもらっているはずだ。

つまり、大リーガーのガムかよというぐらい、常に親のスネをかみ続けているわけだが、それもかみ続けているうちに段々味がなくなっていく。

ここで常人なら「親もいつまでもいるわけじゃないし、自立せねば」というような不安にかられて就職などしてしまうだろう。

また、親のスネがどれだけ太かろうと、やはり無職は体裁が悪い。世間からはもちろん、親にさえ「お前はいつまで俺の太いのを口に入れ続けるんだ」と苦々しく思われている場合が多い。そういった圧力に屈して就職してしまう者も少なくないのだ。

つまり無職は、その昔、文豪芥川龍之介を屠(ほ)ふった「唯ぼんやりした不安」に負けず、ニートだけでなく多くの人間を屈服させてきた「世間の目」に打ち勝ち、無職という職を得ているのだ、すなわち勝利の末の無職である。

非リア充がそんな強い生き物なわけがない、そもそも非リア充に「勝利」はご法度だ。一度でも勝ったら、ボクサーが網膜剥離になったぐらい、問答無用で引退である。

つまり非リア充は、働きたくはないが、不安や圧力に負けて、大体渋々働いている