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株大暴落のZOZO・前澤社長の「新しい戦略」は復活のための秘策?

決算発表からは「見えない将来」

迫られる「方向転換」

ファッションブランドのイーコマースで急成長した「ZOZO(旧スタートトゥデイ)」が上場以来の経営危機に直面している。前澤友作社長(43)が社運をかけた事業がことごとく失敗し、大きな方向転換を迫られているからだ。

前澤社長といえば数千億円の資産を持つ今を時めく時代の寵児。人気女優の剛力彩芽と浮名を流したり、自家用ジェットでワールドカップにいった映像をインスタグラムに投稿したり、2023年には民間人としては初めて月の周回旅行に行くことを発表した。その金額については明らかにしていないが、一人1億ドルともいわれ、数名のアーティストを連れていくというから、その額は数百億円にも上るとみられている。 

そんなジャパニーズドリームを成功した前澤社長がここにきて窮地に立たされている。

 

4月25日に都内で行われた2018年度の決算発表は、1184億円と前年同期比で20%の増収となったにもかかわらず、営業利益は256億円と前年同期比で21%減少した。自ら創業したZOZOの営業利益が上場以来の大幅下落で、株価は2018年7月の年初来高値の4875円から決算発表後の4月26日は1965円と半値以下に下落した。

前澤社長は保有株を担保に絵画などを買っていたが、ピーク時には7000億円近いといわれた保有株式も2741億円(4月26日時点)と大きく値を下げ、保有株の9割以上が担保に差し出され、絵画などのコレクションの一部が売りに出されているというまことしやかな話まで出ている。

こうした事態の中でさすがの前澤社長も大幅な方向転換が求められ、社運を賭けたPB戦略の「ZOZOスーツ」事業は大幅な縮小を迫られ、巻き返しをかけた「ZOZOARIGATOメンバーシップ(以下ZOZOARIGATO)」では、有力取引先が次々に離反。5月30日に終了するという。いったいZOZOになにが起きているのか。

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ZOZOは前澤社長が一代で築き上げた会社だ。

前澤社長は千葉県出身で父親はサラリーマンの家庭で育った。両親ともに音楽が好きで、母親には小さいころからアルフィーのコンサートに連れていてもらったことから音楽が好きになり、さらにファションにも目覚めていったという。

早稲田実業に入学するとインディーズバンドを結成、ドラムを担当。卒業後は大学に進学せず、その後バンド仲間と渡米、半年間ライブハウスを回ったという。帰国後は洋楽のCDやレコードの通信販売で生活しながらプロを目指し、1998年には「BGM JAPAN」からメジャーデビューする。このとき通信販売の仕事も有限会社「スタート・トゥデイ」として法人化した。

この事業がいきなり大ヒットする。

きっかけは「DOLL」という音楽雑誌に掲載した3行広告。これが反響を呼び、全国から問い合わせが殺到。当初はA4の用紙一枚だったカタログが100ページの冊子になり、発行部数も2万部に達し、年商は1億円近くまで伸びた。