今はお金を持っている人しか結婚できない状況です。
年収500万円あります、20代です、って人だったら、もう引く手数多だから、さっさと結婚して子供を作るかもしれませんが、平均収入の人は、子供と奥さんを養えるお金がない。
そうやって働き続けて、40歳になったら、少しは給料が増えているかもしれませんが、今度は40歳のおっさんと結婚したくない、40歳のおばさんと結婚したくないって状況になるわけです。
そういうわけでおっさんとおばさんは、そのまま独身として60歳、70歳になって、で、がんになったりするわけです。がんを治す薬オプジーボは、年間1500万円くらいかかるんですが、高額療養費制度の対象になるので、そのお金は国から出るんです。
でもその1500万円を、20代のうちにもらうことができたら……男性と女性で合わせて3000万円になるわけで、それだったら20代か30代で結婚できて、子供を作って、家庭を持てたかもしれない。そのほうが幸せだったんじゃないでしょうか?
幸せかどうかはその人たちの問題なので、どっちでもいいかもしれませんが、少なくとも出生率を上げることには繋がります。
これが、僕がベーシックインカムをすすめたい理由です。
20代で1000万円あったら、子供を育てるために数年働かないで、子供を育てるのに特化した生活を夫婦でやって、それで子供が小学校に入ってから、「じゃあ働こうか」ってことができるわけじゃないですか。
それから、結婚相手に高い年収を求める必要もなくなってくると思います。生活するお金はふつうにもらえるわけなので、相手の年収にこだわらなくていい。
よく、「結婚相手は年収600万円以上じゃないと嫌です」とか言うわけですが、あれは、本当に年収が高い人と結婚したいというよりは──そういう人も若干いるとは思いますが──要は、生活の不安を感じたくないってことですよね。
「子供を育てます」っていうときに、仕事を辞められないとなると、相当きつい。生活不安をいかに減らすか。豪華なものを買いたい、というよりは、ふつうに子どもを育てられるかどうかって話ですよね。
子育てでいったん仕事を辞めました、キャリアが途絶えました、ってなったら、正社員の仕事にはなかなか戻れない。スーパーのレジ打ちとかになってしまう。そうじゃなくて、子供を作っても、今までどおり人並みの生活ができるようにしたい。そう思うと、年収は高いほうがいいよねって考えてしまうわけです。