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習近平「一帯一路」大演説で再び見せた中華覇権確立への執念

アメリカを追い越すその日まで

腐っても習近平

「腐っても鯛」という言葉がある。いくら貿易戦争でトランプ政権に叩かれようが、中国経済に翳りが出ようが、やはり「腐っても習近平」なのである。

習近平主席は、4月26日午前9時45分(北京時間)、北京のオリンピック公園に隣接した国際会議センター4階にある大会議室の壇上に立った。「第2回『一帯一路』国際協力サミット・フォーラム」の開幕式の基調演説を行ったのだ。

そこは「大会議室」という名前だが、6400㎡もあり、収容人数は5000人。37人の国家元首クラスを含む150ヵ国から来たVIPたちを睥睨する圧倒的な存在感だった。中国や海外メディアの取材記者は4100人に膨れ上がったため、ごく一部しか入場できなかった。

中央広播電視総台(中国中央テレビ)の画面が捉えた最前列のVIPたちは、計40人に上った。

具体的には、ロシアのプーチン大統領を始め、国名のABC順に、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ブルネイのハサナル国王、チリのピニェラ大統領、キプロスのアナスタシアディス大統領、チェコのゼマン大統領、ジプチのゲレ大統領、エジプトのシシ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、ケニアのケニヤッタ大統領、キルギスタンのジェーンベコフ大統領、ラオスのベンヤン主席、モンゴルのバトトルガ大統領、モザンビークのニュシ大統領、

ネパールのバンダリ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領、ポルトガルのソウザ大統領、セルビアのブチッチ大統領、スイスのマウラー大統領、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのミルジャエフ大統領、UAEのムハンマド首相、オーストリアのクルツ首相、カンボジアのフンセン首相、エチオピアのアビー首相、ギリシャのチプラス首相、ハンガリーのオルバン首相、イタリアのコンテ首相、マレーシアのマハティール首相、ミャンマーのスーチー国家顧問、パキスタンのカーン首相、

パプアニューギニアのオニール首相、シンガポールのリー首相、タイのプラユット首相、ベトナムのグエン首相、インドネシアのカーラ副大統領、それに国連のグテーレス事務総長とIMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事である。

これらの錚々たるVIPたちが一堂に着席し、30分にわたって「習近平演説」に耳を傾けたのだった。「習近平皇帝様」を尊敬している国家元首も、中にはいるかもしれないが、おそらく大半は「自国の経済発展のため」と割り切って、聞いていたのだろう。

「一帯一路」というのは、ユーラシア大陸を中国からヨーロッパへ向かう陸路の「シルクロード経済ベルト」と、海路で向かう「21世紀海上シルクロード」を、中国と当該諸国とでつなげようという習近平政権の広域経済圏構想である。

具体的には、政策・インフラ・貿易・資金・民心の5つを、ユーラシア大陸に浸透させることを指針としているが、いまではユーラシア大陸とは無関係のアフリカや南米なども含めている。

「一帯一路」のこの5年半あまりの歩みは、以下の通りだ。中国政府が作成した資料からの抜粋であることを付記しておく。

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「一帯一路」略史

2013年9月7日: カザフスタンのナザルバエフ大学での講演で、習近平主席が「シルクロード経済ベルトを共に作ろう」と呼びかける。

2013年10月3日: インドネシア国会で、習近平主席が「21世紀海上シルクロードとAIIB(アジアインフラ投資銀行)を共に作ろう」と呼びかける。

2014年9月11日: 習近平主席が中国、ロシア、モンゴル3ヵ国首脳会談で、「シルクロード経済ベルト」と「欧亜経済連盟」(ロシアが提唱)と「草原の道」(モンゴルが提唱)を結びつけて経済回廊を築こうと提唱。

2014年11月4日: 習近平主席が中央財経指導小グループ第8回会議で、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの機構作りを研究し、AIIBとシルクロード基金を作るよう発議。

2014年12月29日: シルクロード基金有限責任公司を北京に設立。

2015年3月28日: 国家発展改革委員会、外交部、商務部が連名で、「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの原景と行動の建設推進」を発布。「一帯一路」の指針を定める。

 

2015年7月10日: 上海協力機構(SCO)が「シルクロード経済ベルト」を支持。

2015年12月25日: 57ヵ国が参加して、AIIBが正式に発足。

2016年6月23日: 中国、ロシア、モンゴルが「中蒙露経済回廊計画要綱」に署名し、初めて「一帯一路」の枠組みでの国際提携を行う。

2016年9月19日: ニューヨークの国連本部で、「中華人民共和国と国連開発計画局の共同でシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードを建設する覚書」に調印。中国と国際機関の提携の先駆けとなる。

2016年11月17日: 国連で「一帯一路」の経済協力についての決議が可決。

2017年3月17日: 国連安保理2344号で、国際社会が「一帯一路」を通して地域の経済協力建設を強化する決議が可決。

2017年3月27日: 中国とニュージーランドが「一帯一路協力強化に関する覚書」を交わす。西側国家では初めて。

2017年5月14日、15日: 第1回「一帯一路」国際協力サミット・フォーラム(BRF=ベルト&ロード・フォーラム)を北京で開催。29ヵ国の国家元首級首脳、140ヵ国以上、80以上の国際組織から1600人の代表が集まる。270余りの成果とコミュニケ(公報)を発表。