ZOZO前澤社長から100万円を受け取った男性が語る「その後」

夢に向けて走り始めた
現代ビジネス編集部 プロフィール

一個一個を着実に

池西さんがロックバランシングを始めたのは、3年ほど前のこと。

「川辺を散歩していた時に、たまたま『やってみよう』と思って始めたんです。最初は、石の平らな面を見つけて積んでいたのが、だんだんといろんな形の石でバランスが取れるようになり、1年くらいでコツをつかみました。最初は週に1回だけでしたが、今では毎朝の日課になっています」

 

ゴツゴツと重い石が尖った一点のみで自立し、さらに大きな石を支える。まったく形状が異なるいくつもの石が、支え合ってバランスを保つ。まるで重力に反しているかのような池西さんの作品には、美しさと危うさ、そして不思議な静けさがある。

川辺で無心に石を積み上げていると、通りがかった子供たちが「すごい!」と歓声をあげる。ロックバランシングの技法を教えてほしいという依頼もしばしばくるが、本業である整体師の仕事もあるため、なかなか対応できていなかったという。

「ロックバランシングをやってみたい方に言えることがあるとすれば、まずは1個の石から根気強く始めること。大きさや数を追い求めるのではなくて、一個一個を着実に積み重ねてゆく。いま自分が持っている力を知り、その範囲の中で最大限やれるように努力する。人生と一緒ですね(笑)」

完成した前ページの作品(撮影:薫基)

「ワクワクのバトン」をつなぐ

前澤社長との約束どおり、池西さんは「日本各地を回ってロックバランシング作品集を作る」という目標に向けて走り始めている。4月9日には、京都市左京区の南禅寺と蹴上インクラインにて、満開の桜の下でロックバランシング作品の撮影に臨んだ(本記事に掲載した写真はそのときのもの)。

蹴上インクラインでの一枚(撮影:薫基)

「本当は、『日本一周すること』自体にこだわりはないんですが、できるだけいろんな場所で、たくさんの人を巻き込みたいと思うんです。

前澤さんから受け取った『ワクワクのバトン』を、また別の人につないでいきたい。ですから、場所を変えるごとに各地の地元に住むカメラマンにお願いしながら、撮影を進めていこうと思っています」

プレゼントされた100万円を自分ひとりのためだけでなく、「なるべく多くの人に感動を与え、共有するために使いたい」という池西さんの挑戦は、まさに前澤社長の意図にも合致したものといえるのではないだろうか。

前澤社長が始めた空前のプロジェクトは、100通りの「100万円の使い道」を生んだ。それがいくつの夢を叶えることになるのか、今後も注視していきたい。