「日本語で嫌はYESって意味なの?」

これは、留学中に日本語なんてさっぱり知らない海外の友人に聞かれた衝撃の質問だ。詳しく話を聞くと、彼は興味本位で日本のAVを観た際に、女の子があまりに「嫌」を連発していたので、「YES!」の意味かと勘違いしたという。

最近でこそ異議が唱えられるようになってきたが、日本では「いやよいやよも好きのうち」という言葉が長きに渡りまかり通ってきた。日本のアダルトビデオにもそういった筋書きは散見される。しかしながら、「NO」が意味通り機能しない社会で、「NO」を伝える教育をしたところで意味がない。

また、性教育の不足等から「AVが性行為の情報源になってしまっている現状」、も見られる(青少年の性行動 第8回調査報告JASE)。もし、自分の性行為において、なんとなくAVで見たものが頭にあって、別にそこまで嫌とは思ってもいないのに「嫌」とか「やめて」と言っているのであれば、それはぜひ、「いい」や「好き」に今日から変えてみてほしい。

ちなみに、セクソロジストにしてNYタイムズベストセラー作家であり、TED(The Truth about Unwanted Arousal)も評判のエミリー・ナゴスキー氏が語っているのだが、女性は性行為が心底嫌だなと思っているときでも、身体的反応として、分泌液が出ることがあると言われていることも付け加えておきたい

いやよいやよは『嫌』なんです」が当たり前の社会、「いや」と言えばピタッと止まる、そういう社会に根本から変えていけるのは、私たち、ひとりひとりの小さな一言なのではないかと思う。

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性的同意は、誰にも必要なもの

そして、もっとも多かったのは、「結局男が責められるのか」という意見。まず、それは違うと断言したい。性的同意は「男性が女性に確認するもの」ではない。性別に関わらず「性的行為をしたいと思った側」が取るべきものなのだ。

言い換えれば、男性だって、相手が彼女で有る無しに関わらず、しつこく連絡されたり、むやみにべたべたされたり、疲れているのに迫られたり、何かしら嫌だなと感じることがあれば、それを伝えていいし、その思いは尊重されるべきだ。そしてそういった場合にはそもそも、女性も「触っても大丈夫?」など、同意をとる必要がある。

どうしても「結局男が責められる」と感じてしまう方は、アメリカの家族計画協会が公開する性的同意を伝える動画をチェックしてみてほしい。3組のカップルが例示され、男性が女性に聞くという構図は必ずしも見られず、レズビアン、ゲイのカップルも登場する。動画をみると、誰であっても嫌だなと思う気持ちは大切にされて良いんだなと気持ちが楽になり、性的同意のイメージが少し変わるかもしれない。

性的同意は、互いを知り、人間関係を深めるためにも必要不可欠なものだ。Photo by iStock

前回の記事でもお伝えしたが、性的同意は決して面倒なものでも、誰かを責めるものではない。性暴力とセックスの境界線であると同時に、誰もが幸せな時間を過ごすため、最低限の必須アイテムなのだから。