新天皇とトランプ氏の面会のタイミングが、あまり良くないと言えるワケ

「ロシア疑惑」が再燃する中で…
海野 素央 プロフィール

面会は熟考すべきだった

ナドラー委員長は5月23日までにモラー特別検察官を議会に召喚し、公聴会を開催すると述べました。実現すれば、確実にモラー氏の議会証言は全米に生中継されます。

加えて、ナドラー委員長はマクガーン元大統領法律顧問も召喚し、21日に議会証言を行うように求めました。この公聴会に対する米国民の関心も、かなり高くなるでしょう。そして、トランプ大統領の訪日は25日です。

 

トランプ大統領は令和初の国賓として新天皇、皇后両陛下と会見し、宮中晩餐会に招かれる予定です。モラー氏による報告書、またその証言は、「やはりトランプ大統領はロシアゲートの隠蔽工作を図った」という印象を米国民に強く与えるでしょう。

そうした中でのトランプ大統領の訪日は、果たして日米関係にプラスにはたらくのでしょうか。

そもそも「日米関係」とは何か――狭義には、日米両政府間ないしは首脳個人の関係、ということになるでしょう。トランプ大統領と安倍晋三総理が個人的に関係を築くことは、この「狭義の日米関係」といえます。

一方、「広義の日米関係」が存在することも忘れてはなりません。米国のいわゆる無党派層、民主党支持者、共和党穏健派等を含めた関係です。民主党支持者だけでなく、穏健保守の中にも、トランプ大統領の品格や適正の欠如を指摘する人はいまだに少なくありません。

筆者が4月1日、ワシントンで親日派の民主党議員にインタビューしたところ、この議員は「安倍総理がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦した」と報じられていることについて、強い懸念を示していました。「これによって、日本の政治指導者と日本国民が、世界からどのように見られるのかを、日本人は考えたほうがいい」と警告を発していたのです。

Photo by gettyimages

トランプ大統領のロシアゲートに関する一連の言動がフェイクであったことを、少なからぬ米国民が認識し、疑惑は払拭されるどころか深まってゆく――そうした中で行われるトランプ大統領と新天皇との会見が、米国民や世界の人々にどのように映るのか。

今となっては手遅れかもしれませんが、熟考の必要があったと言わざるを得ません。