新天皇とトランプ氏の面会のタイミングが、あまり良くないと言えるワケ

「ロシア疑惑」が再燃する中で…
海野 素央 プロフィール

本当に「ゲームオーバー」か?

トランプ大統領はバー米司法長官の記者会見の日――テレビの生中継に釘付けになっていたのかもしれませんが――、バー氏の会見終了と同時に、自身のTwitterに「ゲームは終わった(Game Over)」と投稿し、ロシアゲートの幕引きを印象付けました。しかし実際には、大統領の意に反して「ゲームは始まった」というのが正確なところでしょう。

トランプ大統領が投稿した画像(公式Twitterより)

下院情報特別委員会のアダム・シフ委員長(民主党・カリフォルニア州第28選挙区選出)は、ABCニュースのインタビューで「トランプ大統領は司法妨害を犯した」と強調し、「バー司法長官はモラー報告書の内容を誤って国民に伝えた。彼はトランプ大統領の弁護士だ」と痛烈に批判しました。

本来、米司法長官は合衆国憲法に忠誠心があり、国民を守ることが優先です。しかし、バー司法長官の言動は「トランプ・ファースト」であり、同氏は大統領の擁護を最優先していると非難されても当然です。

 

下院司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党・ニューヨーク州第10選挙区選出)も黙っていません。ナドラー委員長はNBCニュースのインタビューで、「もし司法妨害が認定されれば、大統領は弾劾に値する」と断言しました。

また、「彼(モラー特別検察官)は、どうしてトランプ・タワーでロシア人弁護士と面会したジュニア氏と他のスタッフ(クシュナー氏)を共謀罪で起訴しなかったのか、理解できない」と不満も漏らしました。確かにジュニア氏は、ロシアから「クリントン元国務長官に関する情報がある」と持ちかけられたとき、FBIに通報せずに歓迎しています。

ただ、こうした民主党陣営の見解は、トランプ支持者に一切届くことはないでしょう。というのも、筆者が3月28日に中西部ミシガン州グランドラピッズでトランプ大統領が開催した集会に参加した際には、演説するジュニア氏に向かって、「2024年の大統領選挙に出馬しろ!」と支持者が声援を送り、彼はまるでヒーローのように扱われていたからです。

腹心たちも元気がない

シフ委員長とナドラー委員長に対して、トランプ陣営は反撃を開始しています。しかし、大統領の言動の多くがフェイクであることが徐々に明らかになり、追及するメディアは勢いを増しています。

トランプ大統領の弁護士チームの1人であるルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は、CNNのインタビューの中で「ロシアから情報を得ることは犯罪ではない」と主張しましたが、司会者から「敵国から情報を収集して選挙に利用したということではないか」と指摘されました。

またケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、ABCニュースのインタビューで「トランプ大統領は選挙で勝利した。トランプ陣営には、ウィキリークスの情報は必要ではなかったということです。それに我々は(民主党が強い州である)ウィスコンシン州でも勝った。トランプ大統領は誰よりも優れた候補だったし、メッセージも良かった」と反論しました。これに対し、モラー報告書の捜査内容に固執する司会者は、コンウェイ氏の回答に納得しない表情を浮かべていました。

トランプ大統領本人も論争に参戦しています。自身のTwitterに、「(モラー報告書は)18人の怒れるトランプ嫌いの民主党員によって書かれたもので、でっち上げで、まったく真実とは違う」と投稿しました。モラー特別検察官は共和党員であるにもかかわらず、です。

どうやらトランプ大統領は、「ゲームは終わった」というメッセージを自ら取り下げざるを得ないようです。