同僚トラウトの「史上最高額契約」は大谷翔平にも影響を及ぼすか

大型契約はチームの方針変更の兆し
長谷川 滋利 プロフィール

エンゼルスの黄金期はいつ来るか

ただ、エンゼルスが、今季好調のマリナーズや昨年、ア・リーグのチャンピオンシップに進出したヒューストン・アストロズなどを圧倒してチャンピオンに、と考えるのはちょっと甘いかもしれません。

 

地力という意味ではアストロズにまだ分があるでしょう。エースのジャスティン・バーランダー投手、昨年15勝を稼いだゲリット・コール投手、ホセ・アルトゥーベ内野手、ジョージ・スプリンガー外野手といった攻守の核となる選手は今季もラインナップに名を連ね、バーランダー投手は36歳ですが、他の主力選手は30歳前後と、まだまだ常勝軍団は健在とみていいでしょう。

かつては3年連続で100敗を喫するなど、“リアルアストロ球団”と呼ばれていたりもしたのですが、その負けている時期にドラフトで現在の主力選手をしっかり獲得した。長期スパンで先を見据えた見事なチームビルディングです。

そういう意味ではエンゼルスはおそらく、トラウト選手の契約が切れる2020年までに勝負のシーズンを迎えたかったのですが、そのイメージ通りにチーム作りが進まなかった。

そこでエンゼルスは、トラウト選手との契約を10年延長し、彼を中心に据えたうえで、これから2、3年は、若手(そこにはもちろん大谷選手も含まれますが)をしっかり育てて常勝チームの土台を作るという方針にシフトしたんだと思います。

トラウト(右)と共にチームの両輪となることを期待されている大谷

この方針変更は、昨年の手術から今季打者として復帰して、来季から改めて二刀流でのプレーに挑戦することになる大谷選手には朗報だといえます。チームがここまで大谷選手の復帰に慎重なのも、あせらずじっくりリハビリに専念させようという配慮なのだと思います。今は万全な体を作って、2年後、3年後に大爆発してくれればいいというのがチームの首脳陣の考えなのでしょう。

もちろんワールドチャンピオンへの道は険しく、簡単ではありません。さらにポストシーズンは短期決戦なので運や巡り合わせが作用する部分もあります。なので、少なくともプレーオフの常連になりたいんですよね。

特に近年は、お隣りのロサンゼルス・ドジャースが調子いいので、しばらくは地元ファンに我慢してもらい、トラウト選手を軸にした上で若手が育ってきたタイミングで効果的な補強をするということになるでしょう。きっと近い将来に黄金期の兆しが見られるはずです。