誰もが待ちわびる大谷の復帰。いよいよ5月にはその勇姿が見られそうだ(photo by gettyimages以下同)

同僚トラウトの「史上最高額契約」は大谷翔平にも影響を及ぼすか

大型契約はチームの方針変更の兆し

昨年の二刀流デビューでメジャーリーグに衝撃を与えた大谷翔平。昨シーズン終了直後の肘の手術の影響から今季は打者に専念するといわれているが、いよいよ5月には復帰するようだ。

エンゼルスには、誰よりも大谷の実力を認めるスーパースター、マイク・トラウトがいるが、今季、メジャー史上最高額の契約を結んだ。

その契約の意味するところと大谷への影響を、エンゼルスOBである長谷川滋利さんが解説してくれた。

 

大金持ちでも、誰からも愛されるナイスガイ

日米で野球が開幕して1ヵ月、アメリカでも少しずつ野球の報道が増えてきました。

ただ、こちらは今、NBA(プロ・バスケットボール)のプレーオフが開幕して、まだ野球一色とはいきません。5月下旬にプレーオフ・ファイナルが終わり、「よし、そろそろ野球を観ようかな」というファンも多いかもしれません。アメリカの4大スポーツはそのあたりの引き継ぎというか、ファンをシェアする方法がとても巧みです。

野球の開幕直後、春先は地区によってはまだ寒いスタジアムも多いですし、意外なチームが独走したりするものです。たとえば今季、日本での開幕シリーズをスイープ(全勝)で終えたシアトル・マリナーズはそのまま好調を維持し、開幕15戦で13勝するなど、ファンにとっては嬉しいサプライズを起こしています。

逆に同じアメリカン・リーグのボストン・レッドソックスなどはゆったりした開幕ですね。夏に向けて間違いなく上がってくるとは思いますが、チームもファンも「まだ春だし」と楽観している部分はあります。

そういう意味では、大谷翔平選手が所属するエンゼルスも負けが先行していますが、5月に入れば、大谷選手も打者として復帰予定ですし、これから巻き返しを狙いたいところです。

昨秋にトミー・ジョン手術を受けリハビリ中の大谷翔平選手の経過についても地元メディアが詳細に報じていて、一定の関心を集めています。

打者大谷の復帰は間近だ

しかしこの春、エンゼルスに関してのニュースは、やはりマイク・トラウト選手のMLB史上最高額となる契約についてでした。12年総額4億3000万ドル(約480億円)という途方もない数字で、今季28歳を迎えるトラウト選手が2020年までに結んでいた6年総額1億4450万ドル(約160億円)に10年延長した格好です。

エンゼルスにとってもチームの歴史に残る瞬間なのでしょう。エンゼルスタジアムでは試合前、チームの名場面やスター選手の活躍する映像が流れるのですが、その最後にトラウト選手が今回のこの契約書にサインするシーンも加わりました。

そんな大金を球団は回収できるのかという声が挙がるのも当然ですが、エンゼルスはお金のないチームでもありませんし、メドは立っているものです。ユニホームをはじめとしたグッズの売り上げはもちろん、彼がいることでチケットも売れる。あとは、この契約自体が、リーグで最も価値のある選手がチームに所属しているというファンサービスであって、ファンへのメッセージでもあります。

トラウト選手は、エンゼルスの生え抜きで10代でメジャーデビューし、ずっとトップパフォーマンスを維持してきました。

さらに天真爛漫で野球が大好きというキャラクターに加え、細かな気遣いをするナイスガイでもあります。

その笑顔は、まさに「永遠の野球小僧」

アリゾナキャンプ中に日本のテレビの仕事で彼にインタビューする機会があったのですが、アメリカの大手ネットワークもインタビューを申し込んでいたんです。普通はそちらを優先させるところですが、トラウト選手は「(OBの)シゲが来てくれてるのか。彼を待たせるのは失礼だからそっちから先に受けるよ」と言ってくれたのは嬉しかったですね。

そういう気遣いも含め、彼の明るいキャラクターはファンからもメディアからも本当に愛されています。彼はこれからもまちがいなく結果を残すと思いますが、仮に12年間、思うようなプレーができなくても愛され続けるでしょう。それだけの存在になりつつありますね。今季も注目です。