7大陸・68カ国を駆ける「地球の広報」として、『ガンジス河でバタフライ』(幻冬舎文庫)など数多くの旅エッセイを綴ってきた、旅人でエッセイストのたかのてるこさん。昨春発売の写真本『生きるって、なに?』(テルブックス)は、累計5万5000部を超え、下は10代から上は90歳まで、世代を超えて大きな反響を呼んでいます。

旅先で出会った世界中の人々の豊かな表情とともに、「生きる意味」についての問いと答えが交互に織り成されている同書。たかのさんが込めた思いとは。

※以下、『生きるって、なに?』の一部を再構成したもの。写真もすべて同書より転載。

生きるって、なに?

 
わたしは、なぜ生きてるの?

生きるって、なに?

生きるって「自分をまるごと愛する」こと

「自分をまるごと愛する」って?

それは「自分を大事にする」こと

「自分を大事にする」って?

それは「幸せになる」こと

「幸せになる」って?
 
それは「自分をイジメない」こと
「自分をイジメない」って?
 
それは「人と比べて自分をダメな人間だと思わず、毎日自分を抱だきしめる」こと

「生きる知恵」は、学校では教えてくれない

この本が生まれたキッカケは、私が教えている大学で、教え子から「生きる意味が分からない」と悩みを打ち明けられた会話でした。

私自身、学生時代は悩める日々でしたし、つい8年前、会社を辞めるまでは「生きる意味」を見失いかけていました。だからこそ、彼の問いかけは他人事ではなかったのです。

そこで、彼がときどき読み返して、前向きな心が湧いてくるような文章を書きたいと思いました。今後の、自分自身のためにも。本の元になった文章をプレゼントしたところ、こんな感想文を書いてくれました。

「今まで、母親にはいつも『人に迷惑をかけるな』と言われ、誰にも甘えてこなかったし、助けを求めることができなかったけれど、『迷惑をかけてもいい』という言葉で救われた気がしました。今後、何か、本当に助けが必要なときには、誰かに助けを求めようと思います」

日本だはよく、親が子どもに「人に迷惑をかけてはダメ!」と言いますが、インドでは「おまえも人に迷惑をかけて生きているのだから、人の迷惑も許してあげなさい」と教えるといいます。もちろん犯罪はいけませんが、人と人は、迷惑をかけたり、かけられたりしながら、濃厚な関係、濃厚な人生を作っていくもの。親しい友人は、互いに迷惑をかけ合った者同士であることがほとんどではありませんか?

なかなか人を信頼できずにいた彼が、人を信じてみようという気持ちになってくれたのが何よりもうれしくて、ハートに火がつきました。その後、文章を練り直し、講演で世界中で撮った写真をつけて上映したところ、出版を希望する声を多数いただいたので、思い切って『生きるって、なに?』を自費出版することにしました。

考えてみれば、「(情報としての)知識」は学校で教わりますが、「生きるための知恵」は教えてもらえません。私もそうでしたが、「生きる意味」をちゃんと考えたことがある人は、なかなかいないのではないでしょうか。たぶん、日々、日常の生活に追われている大人は、「生きる意味」や「平和」について考えるには、忙しすぎるのだと思います。生きる上で、一番大事なことなのに!