ドラマの「イッキ見」は心身に悪いか?実は、意外なメリットが…

連続視聴がもたらす影響とは
丸井 友泰 プロフィール

暴力性のある作品のイッキ見によるリスク

また、最新の研究のなかには、「ミーン・ワールド・シンドローム(mean world syndrome)」いう概念もある。George Gerbner教授が造った概念であり、意味を簡単に説明すると、「マスメディアが伝える暴力的なコンテンツにより、世界が実際よりも危険であると信じ込んでしまう」というものである。


 

2019年3月に報告されたボストン大学の研究では、培養効果(マスメディア、特に、テレビ視聴を通じて、ドラマなどのフィクションに反復的に接することで、現実認識がテレビで描かれる現実像に近いものになってしまうこと)を根拠にして、SVODでイッキ見をする人は、このミーン・ワールド・シンドロームに陥りやすいのではないか、という仮説を立て、検証した。

〔PHOTO〕iSotck

まず、366名の学生を研究対象に、暴力的なコンテンツを含んだ5つのシリーズドラマをイッキ見させた。視聴後に、「多くの人々は、隙あれば自分をだまそうとするだろうか」「多くの人々は親切か」といった質問に、大いに賛成する〜大いに反対する、の7段階で答えてもらったという。調査の結果、より長い時間を視聴に費やした人は、世界は卑しく恐ろしいもの、と評価する傾向にあったという。

ここまで、うつ病や依存症との関連、ミーン・ワールド・シンドロームについて述べてきたが、それでは、イッキ見は百害あって一利なしなのか、というと、そういうわけでもない。