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ドラマの「イッキ見」は心身に悪いか?実は、意外なメリットが…

連続視聴がもたらす影響とは
今年のゴールデンウィークは10連休。休みの日が続くと、海外ドラマなどを複数話、長時間にわたって鑑賞する「イッキ見」をしてしまう人は少なくないだろう。

近年、アメリカではイッキ見が心身に及ぼす影響について研究されはじめており、なかにはうつ病との関連性を指摘するものもある。

イッキ見はそんなにメンタルに悪い行いなのか。精神科医の丸井友泰氏が最新の研究から考察する。

NetflixやAmazonプライム、HuluなどをはじめとするSVOD(Subscription Video on Demand:定額制の動画配信サービス)を利用する人は年々増えているという。

定額でドラマや映画などの映像作品が見放題で、ドラマやアニメを1話から複数話、場合によっては最終話まで一気に連続視聴できることから、ついつい「イッキ見」してしまう人も少なくないようだ。

 

SVODがいち早く普及しているアメリカでは、14〜51歳を平均しても約85%の人がイッキ見を経験しているという(米デロイトの「デジタルメディア利用実態調査 2018」より)。

そんななか、イッキ見は「健康に悪影響を与える」「仕事や人間関係が疎かになる」といった危険性が専門家から指摘されている。

抑うつ気分がイッキ見を誘発する可能性が

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SVODの歴史自体が浅いため、数は少ないが、いくつかの研究結果は存在する。そのなかでも指摘されている代表的なマイナス面としては、うつ病との関連性が挙げられる。2015年のWei-Na Lee教授の研究では、孤独感を感じている人、抑うつ気分を感じている人、自己抑制力が低い人はイッキ見に走りやすい傾向があり、また、イッキ見を止めようと思っても、次から次へと連続再生される動画を目の前にすると、テレビの電源をオフにすることができなかった、と報告されている。

また、検証にはさらなる研究が必要ではあるが、孤独感や抑うつ気分が暴飲暴食を誘発するのと同じように、イッキ見も誘発されるかもしれないと推論している。

この研究は、イッキ見がうつ病発症の直接のリスクになる、と述べているわけではないが、没頭するあまり重度のネット依存症のような状態になり、生活が破綻、うつ病を発症する危険は高い、という論理は決して無理のないものと思われる。