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欧州を席巻する子供デモは「チコちゃん現象」かもしれない

子供に叱られて喜ぶ大人たち

全世界の大人たちに向かって

4月5日の本欄で、ドイツで燃え盛っている子供のデモのことを書いた。スウェーデンのグレタ・トゥンベルク(Greta Thunberg)という少女が、去年の8月に始めた環境運動“Fridays for future”に、ドイツの多くの生徒が共感し、毎金曜日に学校をサボってデモをしている話だ。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63945

目的は、一刻も早くCO2を削減して、「惑星」を滅亡から救うこと。今、すぐに行動を起こさないと、地球はまもなく取り返しがつかなくなるそうだ。もちろん、この子たちがそう固く信じている背景には、信じ込ませた人たちがいる。

「グレタというのは現在9年生(日本の中3)のスウェーデン人の女の子で、地球の温暖化を食い止めるための活動家ということになっている。ヨーロッパで9年生といえば、学校にもお化粧バッチリで通う大人っぽい女の子が多い中、グレタはおさげ頭で、化粧っ気もなく子供っぽい。そして、過激な内容のスピーチを無表情でする。この頃、マスコミで姿を見ない日はないほどの有名人だ。

去年、米『Time』誌は、世界で一番影響力の強いティーンエイジャー25人のリストにグレタを加えた。先日、3月30日には、本来なら優秀な映画やテレビ作品、あるいは、映画やテレビで活躍した人に与えられるドイツの『ゴールデンカメラ賞』の特別賞を受賞し、ベルリンに集合したスターたちや来賓から満場の喝采を受けた」(前述の拙稿より引用)

4月17日には、グレタはバチカンで法王に会っている。普通、ローマ法王の前に出るときは、アメリカ大統領夫人であろうが、ハリウッドスターであろうが、アウトフィットは黒の正装が常識だが、彼女はTシャツと運動靴で現れ、“Join the Climate Strike”と書いた紙を法王に示した。ほとんど暴挙と言える。

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グレタはその他にも、EUの委員長に面会したり、ヨーロッパ中に広がっている子供デモの特別ゲストとして招かれたり、とにかく引っ張りだこだが、今年1月の末、スイスのダボス会議で行ったスピーチは、とりわけ強烈だった。

彼女は全世界の大人たちに向かって、まるで無表情で次のように言ったのだ。

「私たちは、あなた方が希望を持つことを許さない」
「あなた方が恐怖を覚えることを望んでいる。私たちが常に感じているような恐怖を」
「私たちは、あなた方が自分の家が燃えているときのようにパニックに陥ることを望む。家は本当に燃えているのだ」

 

しかし、この不吉な御宣託を不気味に感じたのは私だけだったらしく、今やメルケル独首相からシュタインマイヤー独大統領までが、グレタの蒔いた種で広がりつるある子供デモのことを褒め称えている。

ドイツ政界の重鎮ショイプレ氏に至っては、生徒が金曜日の授業をサボることを容認している教師たちのことまで褒めた。また、主要メディアも、グレタと、そして彼女に続く子供たちを異常に祭り上げている。

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