トランプの原油政策が中国を「バブル膨張」へ追いやっている可能性

一帯一路政策との微妙な関係とは
宿輪 純一 プロフィール

「一帯一路」という股裂き

最近の中国は、経済水準が上がり、新興国から中進国となり、工業生産も消費も拡大している。豚肉も海外依存が高まってい るが、原油も国内に大慶油田などがあるものの輸入が急増している。しかも、その約4割が中東からの輸入となっている。ここ で、中国と米国の関係が重要になって来る。

現在、中国の原油の輸入は中東からタンカーで、マラッカ海峡経由で届けられている。このマラッカ海峡は非常に狭く、米軍 の西太平洋・インド洋を担当海域とする第7艦隊に簡単に制圧されてしまう。そうなると、原油の輸入が滞ることになる。

そのため、一帯一路政策で中東に資金投下し、中国への陸路(将来パイプライン)による輸入経路を開こうとしている。

しかも、トランプ政権下、シェールオイル開発の増産している米国の原油生産は、47年振りに世界一になっている。トランプ 政権は製造業・鉱業の支援をしている。一方、中国にはまだシェールオイルの開発技術はない。

通常の商品であれば、供給が増えたら、価格は低下する。しかし、イランやべネスエラになどの原油国にはトランプ政権は、 ドル決済の制限など経済制裁を課し、実質的に輸出をできないよう制限をかけているのである。米国は、ロシアに対しても、 同じく良い関係とはいえない。

実際、この半年で原油価格は5割も上昇している。このようにして米国は、実質的に原油価格をコントロールしている。生産を増やし、そして価格を上昇させるということをしているともいえる。その煽りを受けるのが中国である。

そのため、微妙な米国との緊張関係の中、この数年、人民元も微妙な安定を保っている。そんな中、一帯一路として中東エリアに向けた進出をしているのではないか。そしてそれは中国政府の債務を増加させている。

 

中国と北朝鮮との関係だけでなく、中東やロシアなど西側の一帯一路のエリアとの関係も注意しなければならない。近未来に 予想される「米中新冷戦」においては、以前の西側(資本主義)・東側(共産主義)といった明確は仕切りではない。

一帯一 路は中東はもちろん、ギリシャ、そして(すべての道はローマに通ずというとだろうか)イタリアまでも援助を強化し囲い込んでいる エジプトでは膨大な中国の予算をかけてカイロから、新首都に移転させる。しかも、中国の貿易赤字は予想外に少額だ。

そのような政策を連発することで、中国本体の債務超過は日に日に拡大し、「灰色のサイ」といわれる金融危機は日に日に近づいている。それが今後の世界の金融危機の発端となる可能性がある。