トランプの原油政策が中国を「バブル膨張」へ追いやっている可能性

一帯一路政策との微妙な関係とは
宿輪 純一 プロフィール

米中冷戦による刺激策の追い打ち

中国は、バブル問題、過剰負債問題に真剣に取り組まなければ危険な段階に、以前から入り込んでいる。中国政府の負債も (日本も同様であるが)、いつまでも無尽蔵に出来るわけではない。

にもかかわらず、逆に負債を積み上げなければならない事態に追い込まれている。その原因が米国との衝突である。その代表的な例が、中国の海外進出戦略「一帯一路」なのである。

中国を巡る問題は、これまでにも解説した米中を対立軸とした「新冷戦」とリンクしている。米中の貿易摩擦(戦争)やそれ に付随する制裁的処置によって、お互いの経済を疲弊させているといっても過言ではない。トランプの制裁と中国の対抗処置 は中国の国民生活に広く影響を与えている。

 

たとえば、中国の方は豚肉を大量に消費する。世界の半分以上を消費する。人口で見れば、中国は2割弱であり、豚肉がいかに 中国の方の消費量が多いかが分かる。
中国は、米国の輸入制限への対抗措置として、米国産豚肉と豚の飼料になる大豆などに25%の追加関税を課した。さらに、中国に国内でも豚コレラが発生した。その結果として、主要な食糧である豚肉をはじめ食費が高騰上がった。

中国政府や筆者も中国経済の分析として使っているのがこの豚肉価格である。無理矢理、日本に当てはめると米価といったところであろうか。国民の心情にきわめて反映されやすい。

経済を見るときには、政策として「政府(政治)」の意向が反映されるため、その面からの分析が重要になる。

国民の政治的な不満が溜まると、米国などは共和党と民主党が入れ替わるなどしてガス抜きができる(日本は与野党のバランスが崩れていてそうはならないが)。

中国は一党独裁なので、国民の不満は、究極には革命ということになってくる。この点で、中国政府は国民の不満に敏感である。その点で、豚肉の価格は重視している指数の1つである。にもかかわらずコントロールが効かない問題となってしまっている。