悪夢の「70歳以上も年金加入義務化」に備えて今スグやるべきこと

もはや年金と給料ではやっていけない
加谷 珪一 プロフィール

ここ10年の間に、ITをベースにした企業活動の標準化が急激な勢いで進展しており、多くの企業が、国や地域に関係なく同じ枠組みの中でビジネスをするようになった。つまり国内企業、外国企業といった形で切り分けること自体がナンセンスになっているのだ。

もっとも分かりやすい例は楽天だろう。

楽天は基本的には「楽天市場」という国内ネット通販サービスと、「楽天証券」に代表される国内金融サービスを主体とする企業である。従来の考え方では、ネット銘柄であると同時に、内需銘柄という位置付けになるはずだ。

ところが楽天の最大のライバルはどこかと考えた場合、それはアマゾンにならざるを得ない。アマゾンは全世界統一の基準を持ち、楽天にはないテクノロジーを駆使した新しいサービスを次々に投入している。アマゾンと楽天では企業体力に大きな差があり、もしネット通販で1社投資しなければならないという場合には、ほとんどの人がアマゾンを選択する可能性が高い。

 

安全性最優先なら、外国企業投資がオススメ

日本の大企業と同一分野で活動する外国企業の売上高と営業利益を分析すると興味深いことが分かる。日本企業は、同一業種の外国企業と比較すると、売上高も利益も小さく、グローバルレベルでは主要企業に入らないケースが多い。十分な経営規模があるのはトヨタやソフトバンクなどごくわずかというのが現実なのだ。

高齢者の生活資金を支える運用ということになると、リスクの高い短期的な売買は避けるべきであり、銘柄も安全性を最優先に選択する必要が出てくる。こうした投資家にとっては、規模が大きく、経営が安定しており、高い知名度があることは必須の要件だが、その点からすると、多くの日本企業がこのカテゴリーに入らない。

企業規模がそれほど大きくないような銘柄への投資は、相場に慣れた中上級者が取り組むべきものというのが一般的な考え方である。グローバルに見た場合、日本企業の多くは初心者向けの銘柄ではなく、こうした中上級者向けの高リスク銘柄になってしまう。

今ではどの証券会社でも簡単に外国株が買えるので、投資の初心者であればなおさらのこと、日本株ではなく、外国株を積極的に投資対象に組み入れる必要があるだろう。

例えば、国内の銘柄を4割、海外の銘柄を6割、いずれも超優良企業のみで構成するというポートフォリオを構築し、これを長期で運用するというのが、老後対策の投資としてはベストだろう。

資産の運用から確実な収益を得た上で、年金や医療、保険といった制度を上手に使いこなせば、厳しい時代であっても豊かな老後を過ごすことができる。一連の手法は、拙著の『定年破産絶対回避マニュアル』に詳しく書いてあるので、興味のある方は参照していただきたい。