日本大学元副総長決死の告白「私たちは日本大学を訴えます」

OBとして言わねばならないことがある

刑事、民事、両方で

「日本大学は、昨年起こったアメリカンフットボール部の反則タックルの問題で、学生を守らない大学というイメージがついてしまいました。そのために、私学助成金は35%カットされ、今年の入試では志願者が大幅に減っています。

にもかかわらず、執行部はなぜそうなったのかを未だに総括していません。田中(英壽)理事長は、トップとして説明もせず、最悪の事態を招いた責任を明らかにしていないのです。

私も日大の出身で、母校愛は人並み以上にあります。それだけに残念で、このままの状態を許すわけにはいきません。大学を正常化させ、新しい日本大学像を提起するためにも、法の判断を仰ぐしかないという結論に至りました」

そう話すのは、日本大学の元副総長の牧野富夫氏。牧野氏は教員OBらが中心となって立ち上げた「新しい日本大学をつくる会(以後、つくる会)」の会長を務めている。

つくる会は「田中理事長の責任を明確にしなければ日大の改革はない」として、近く田中理事長を刑事告発する方針を固めた。さらに、日大の関係者を精神的に傷つけたとして、理事全員を相手取り損害賠償を求める民事訴訟を起こすことも検討している。

 

助成金カット、志願者大幅減のダブルパンチ

繰り返しになるが、きっかけはもちろんアメフト部の危険タックル問題だ。去年5月6日、日大アメフト部の選手が悪質なタックルで、関西学院大学の選手に大けがを負わせた。タックルをした選手は内田正人前監督や井上奨前コーチから指示があったと記者会見で証言したが、内田氏は指示を否定。井上氏も「潰せ」と指示したことは認めたものの、けがをさせる意図はなかったと述べた。

タックルをした選手は傷害容疑で書類送検されたが、刑事告訴された内田氏と井上氏は捜査の結果「容疑なし」と判断されたことは、これまで報道されている通りだ。内田氏と井上氏は大学を懲戒解雇されたが、内田氏は懲戒解雇処分の無効を求めて日大を提訴している。

しかしこの間、法人トップの田中理事長は、会見にも姿を見せず、一度も公の場で説明をしていない。トップとしての責任を明確にしないままいまに至っており、ここに、つくる会は激しく憤っているわけだ。

反則タックル事件からまもなく1年。日大をめぐる問題の現状をみていきたい。

3/21に渋谷区で開催された「新しい日本大学をつくる会」のシンポジウム

日本私立学校振興・共済事業団は今年1月、日大に対して、2018年度の私学助成金を35%カットすることを決めた。金額にして約32億円の減額で、大学経営にとって大きな痛手となることは間違いない。

減額の直接の原因は2つある。1つは、医学部の不正入試問題。東京医科大の贈収賄事件をきっかけに、医学部の不正入試が明らかになったが、日大でも過去3年間に追加合格者を決める際、医学部卒業生の子どもを優先的に合格させていたことが明らかになった。

もう1つの原因となったのが、昨年5月のアメフト部の反則タックル問題。タックルした選手が元監督やコーチからの指示を主張したのに対して、「指示はなかった」と結論づけたことが、助成金大幅減額の一因となったのだ。