声をあげて泣き出した長男

ある日、宿題を終えた長男が「三枚の折り紙で作る駒の作り方を教えて」と折り紙を持って食卓に戻ってきました。

私は向かいの席でパソコンをひろげ、締切迫る原稿を書き上げなくてはと少々焦っていたので、写真付きの折り方が載っているページを探し「これを見ながら自分で折ってみてくれる?」と折り紙の本を渡しました。

最初は順調だったようなんですが、途中から「あれ?あれ?どうするんだ?あれ?」と、怪しい雰囲気に……何度か私もパソコンから目を離し手助けしていたんですが、遂に「出来ないよ~!!」と絶叫!「今お母さんお仕事しているから、自分で作ってくれないと……困っちゃうなあ」と言うと、珍しく声をあげながら泣き始めた長男。

んんん?なんだかいつもと違うぞ。どうした?どうした??

なんとなく緊急事態な空気を感じ、これは仕事をしている場合じゃない、とパソコンを閉じ、話を聞いてみる事に。

クラスにこの駒を作るのが得意なお友達がいて、そのお友達にみんなが駒を作って欲しいとお願いしていたようです。長男も同様にお願いしたところ「お前には作らない!」と言われ「なんで?まだ折り紙余っているよ。」と食い下がると「お前は友達じゃないから作らない!!」と言われたそうなんです。

だから駒を作りたいんだ、と。

切れ味鋭いきつめの言葉をダイレクトに心で受けてしまった長男。

おおおお。これは大変だ!まずは絶対に駒を一緒に作り上げなくては。と、取り急ぎ二人で駒を作り上げました。結構難しいんですね、これが。

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じっくり話を聞いてみると

二人で協力して1つ出来上がると、気持ちが落ち着いたようで「みんながさ、○○君に、俺にも作れよー!って言っててさ。」「えーお願いするのに、作れよ!はないよね。ところでみんなって何人くらい??」「10人くらい?あ、もっとかな。僕が最後だったんだ。」 

なかなか難しかった三枚の折り紙で作る駒。長男と共同製作 写真提供/中村仁美

なるほどね。母はやっと理解しました。お友達はみんなからの大量発注が手に負えなくなり、キャパオーバーになってしまったのでしょう。それに気が付かずに、最後に頼んでしまった長男。ちょっと刺激的な言葉を発してしまったけど、お友達の気持ちは良くわかります。

「きっと○○君は、みんなに沢山頼まれていっぱいいっぱいになっちゃったんだよ。友達じゃない、なんてそんな事は思っていないんだけど、イライラしちゃったんだね。なんとなく、○○君の気持ち分かる?」「うん、分かるよ。」

と、2つ目の駒を作り終えると満足したようで、食卓を離れ弟とブロックで遊び始めた長男。

長男の心のしこりが1つ取れたことが分かりホッとしました。と同時に、今まで同じようなことで息子の心の傷を見過ごしていたことはないだろうか?と少し不安にもなりました。