突然襲ってくる便意! 潰瘍性大腸炎はどんな病気? がん化する?

コントロールできれば人生楽しめます
からだとこころ編集部 プロフィール

大腸がんとの関連は?

潰瘍性大腸炎もクローン病も、それによって寿命が縮まるような病気ではありませんが、そうでない人とくらべると、いくぶん大腸がんを合併しやすい傾向にあります。

潰瘍性大腸炎では、発症からの期間や炎症の続いている期間が長いほど、大腸がんのリスクが増します。クローン病でも同様で、大腸がんのほか、病型(広がり方)により肛門がん、小腸がんの危険性が高まります。

これは、炎症が慢性化すると、組織の細胞の遺伝子変異が起きやすくなり、がん化のリスクが高まるためだと考えられています。

しかし、逆にいえば、炎症をきちんと抑制して維持していれば、発がんリスクは抑えられるということです。実際、潰瘍性大腸炎の基本薬5-ASA製剤の継続的な使用はがん化を抑制する効果があると報告されているそうです。

腸の炎症抑制、がん化への備え、双方のために、定期的に検査を受けることが大切といえます。

医療費助成が活用できる!

潰瘍性大腸炎もクローン病も、治療期間は長くならざるを得ません。長期にわたる治療は、経済的な負担も気になるところです。

しかし、病状が一定以上の場合には、国の医療費助成制度を受けることもできるので、制度を活用して自己負担を抑え、適切な治療を受け続けるようにしましょう。

医療費助成の受け方

1 診断書をもらう
指定難病の診断が可能な医療機関を受診して、診断書の交付を受ける
2 保健所などの担当窓口に申請
  • 必要な書類:特定医療費認定申請書
  • 診断書
  • 住民票
  • 市町村民税(非)課税証明書
  • 健康保険証の写しなど
3 審査・承認
都道府県が審査
4 〈医療受給者証〉の公布
5 更新
原則、1年ごとに更新

指定医療機関で〈医療受給者証〉を提示することで、医療費の自己負担分が2割に軽減され、所得に応じて決まっている自己負担分の上限を超えた分は、公的に助成されます。

コントロールできていれば、通常の生活が可能に

難病というと「不治の病」というイメージがつきまといます。治療法がなく、死ぬまでつらい闘病生活を余儀なくされる、そんなふうに受け取る人は少なくありません。

しかし、これまで見てきたように、潰瘍性大腸炎やクローン病は、症状のいかんにかかわらず、治療を続けていく必要がありますが、適切にコントロールされていれば、ごく普通の生活が送れます

患者数の増加がこれほどまでにはっきりしている今日、周囲の人やあなた自身のリスクも決して侮れません。日々の生活改善や健康チェックはもちろんですが、病気や治療、薬のことなど、正しい知識を持っておくことは大切になってくるでしょう。

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