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突然襲ってくる便意! 潰瘍性大腸炎はどんな病気? がん化する?

コントロールできれば人生楽しめます

増えている潰瘍性大腸炎の患者

「会社までの行き帰りで知らないトイレはないよ……」

男性は、苦笑交じりで、力なくつぶやきました。男性は、ほんのひと月ほど前から、下痢や腹痛を覚え、それがなかなか治らない、ということでした。

1日に何回もある便意は、なんの前触れもなく、容赦なく突然やってきます。都内の某ターミナルから私鉄の急行電車で30分ほどのところにある町に住んでいた男性は、

「どこでトイレに行きたくなっても、すぐに近くの駅で降りられるように、各駅停車で通うようにしたんだ。通勤時間が倍になっちゃったよ」

と、移動中の不安をこぼしました。

食事は、脂ものや好きなお酒も控えるようにしました。比較的奔放な食生活を送っていた彼としては、最大限の節制です。その甲斐あってか、「ちょっとよくなったかな?」と思うような時もあるのですが、数日でまた同じ状態になってしまいます。さらには、下血も認められるとのこと。少しも治らない心痛のせいか、前よりも少しやせたようです。

下血を認めるに及んで、病院嫌いでなかなか診察を受けたがらない彼も、さすがに不安を覚えて、診察を受けました。

診断名は「潰瘍性大腸炎」。

調べてみると、国から難病に指定されています。「不治の病」そんな言葉が浮かんできて、頭の中が真っ白になりました。

【写真】駅のトイレ
  駅ごとのトイレまで把握するようになった photo by gettyimages

彼のようなお腹の症状と悩みを抱える人が、最近じわじわと増えているそうです。彼が診断された「潰瘍性大腸炎」という病名に覚えのある方もいるかもしれません。同じような症状で「クローン病」という病名も耳にします。

お腹を壊すのですし、病名からも、腸の病気であることはわかりますが、いったい腸がどんなことになる病気なのでしょうか? 難病というけれど、治らない病気なのでしょうか? ニュースで大腸がんの患者が増えている、と聞いたけれど、関係あるのでしょうか?

あなたも患者候補かも?――増えている患者数

公益財団法人難病医学研究財団が、厚生労働省補助事業として運営している難病情報センターによると、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者数は、年を追うごとに増えているといいます。とくに潰瘍性大腸炎の増加傾向は顕著です。

【グラフ】潰瘍性大腸炎・クローン病の患者推移
  潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数の推移(患者数は、難病医療費助成制度により医療費受給者証を交付され、受給している人数:難病情報センターによる)

こうした患者数増加は、私たちの生活スタイルが変化したことを反映しているのではないか、と考えられています。

腸は、ご存じのように消化器官として、「消化・吸収・排泄」の中心的な役割を担っていますが、それ以外にも免疫組織として、また循環や神経の働きにも大きく関わっており、実は複雑で繊細な器官です。

そのため、不規則でかたよりのある食生活はもちろん、運動不足やストレスなどが、腸の働きに大きな負担をかけてしまいます。そうした昨今の生活スタイルによる負担が、腸の病気を増加させているのではないかと考えられているのです。

でも、お腹を壊すことはよくあるけれど、たいてい数日で治りますね。お腹が痛いといっても、色々なタイプがあるようですが、どんなタイプがあって、それぞれどんな問題があるのでしょうか?