「バブル」は続くよどこまでも…もう誰も金利を上げることができない

景気のためには逆効果だが
大原 浩 プロフィール

自然崩壊した時が怖い

しかし、以上の「べき論」にも関わらず、筆者は世界の低金利は長く続くと考えられる。

なぜなら、欧州を中心に不良債権が大量に残っており、さらには長く続いた低金利の中で、大量の資金が不動産などを含む金融商品に流れ込んだからである。

不良債権もそうだが、金融商品の場合はその中身がよくわからない場合も多く、各国の指導者は厳重警戒している。

しかも、現在では、世界中の経済が密接につながっており、問題が生じれば1国だけの問題にとどまらない。

つまり、「金利引き上げ」のカードは、冷戦時代の「核ミサイルボタン」と同じように、「世界滅亡」につながりかねない危険な存在になったのである。

この「核ミサイルボタンを先に押すべきかどうか」というテーマが有名な「ゲーム理論」を生み出すきっかけとなったが、長年の研究にも関わらずまだ答えは出ていない。

少なくとも、今までは朝鮮半島の「ロケット・マン」を含めて、だれもボタンを押さないから我々は生き伸びているのだが……。

 

核兵器はボタンを押さず不要になれば廃棄すればよい。しかし、低金利によるバブルは何もしなければ積み上がっていつかは自然崩壊する。

筆者は、例えば日本の株式市場の主要銘柄はむしろ割安だと思っているが、不動産はこれからの需要の減少を考えればかなりのバブルだと考えている。そもそも、日本の家計資産に占める不動産比率は異常に高い。

いつ崩壊してもおかしくないし、逆にいつまでも崩壊しない可能性も十分ある。

ただ、欧州などは不良債権の問題から崩壊の可能性が高いし、共産主義中国や韓国、さらには多くの新興国も同様である。

それに対して、合わせて世界のGDPの40%を占める米国・日本・英国は比較的安泰であるし、日本が中心であるTPP11にも期待が持てる。

朝鮮半島、中国大陸の情勢を心配する読者もいるだろうが、日本の戦後の目覚ましい復興は1950年の朝鮮戦争以降のことであり、敗戦からそれまでは国家破綻が懸念されるほどの苦境に立たされていた。

また、第1次世界大戦は欧州を荒廃させたが、戦場とならずに戦勝国となった日本は大いに潤った。

筆者は、世界平和を切に望むが、日本が戦場にならない限り「他国の無益な争い」が「日本の利益」になるのは冷徹な事実である。