# 米国経済

FRBに金利引き下げを求める「トランプ流経済運営」の行方

最大のリスクは…

米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)は、トランプ大統領からの金利引き下げの強力な圧力を感じていることだろう。最近、トランプ大統領の発言を見ると、昨年のFRBの利上げは誤りで、それを是正するために金利を引き下げるべきとの要請が強まっている。

そうした動きは、市場参加者のマインドにも大きく影響し始めた。大統領選挙が近づくにつれ、トランプ大統領はFRBに様々な要請を突きつけるだろう。

特に、米国の株価の動向は重要だ。株価の推移は、その時の政権に対する社会心理を大きく左右する。株価が上昇すると、政権への信頼は高まりやすい。まさに、株価はその国のトップの通知表である。2020年の大統領選挙に向けて、トランプ氏は点数を稼ぎたい。同氏の考えが米国の金融政策にどう影響するかは無視できない問題である。

 

トランプの狙い

4月に入り、米国を中心に長期金利(10年国債の流通利回り)が上昇した。特に、中国の1~3月期GDP成長率が予想を上回ったことを受け、「金利が一段と上昇する」と身構えた投資家は少なくなかっただろう。確かに、中国の指標発表後、日米の金利は上昇した。しかし、その動きは市場参加者が想定していたほど続かなかったように思う。

この状況に、首をかしげる投資家は多い。金利が上がりづらい最大の要因は、米国のトランプ大統領がFRBに低金利環境を実現するよう、かなり強力に要請していることだ。すでにFRBはハト派姿勢を明確に示しているが、トランプ氏はその姿勢すら十分でないと主張している。今後、トランプ氏のFRB批判や金融緩和への要請はさらに勢いを増すだろう。

トランプ氏が重視しているのは、株価だ。株価は大統領支持率のパラメーターだ。また、同氏は、これまで注力してきた対中交渉にゆとりを感じ始めている。まず、米国の経済は想定よりも好調だ。その上、中国は国内の経済対策を優先せざるを得なくなっている。この状況はトランプ氏にとって、景気対策を進め支持を取り込むチャンスだ。

年初来からのFRB批判に加え、すでにトランプ氏は自らの考えをくみ取った人物をFRB理事候補に推挙している。トランプ氏は利上げがなければ米国経済は3~4%の成長率を実現できたと主張するほど、低金利環境を求めている。そのため、米国では良好な経済指標が発表されているにもかかわらず、金利の上昇が抑えられている。

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