2019.05.06
# 不動産

日本屈指のリゾート施設・シーガイアが「100億円改修」の凄い現場

宮崎で名産・宮崎牛を食べつくす
山下 知志 プロフィール

第三セクターからファンドへ、そしてセガサミーへ

シーガイアは、1993年7月に観光県・宮崎の復興を目指して、総合保養地域整備法(リゾート法)の第1号指定である「宮崎・日南海岸リゾート構想」の中核施設「宮崎シーガイア」として、総事業費2000億円を投じて建設された施設だ。

官民一体の巨大プロジェクトで、運営会社のフェニックスリゾートは宮崎県や宮崎市、民間が出資する第三セクターとして設立された。

1993年7月に、世界最大級の室内プール「オーシャンドーム」やゴルフコースなど5施設を一部開業させ、営業を開始した。続いてホテルや国際コンベンションセンター、アミューズメント施設なども完成し、1994年10月に全面開業している。

 

日本初の大型リゾート施設として話題を集めたシーガイアだったが、巨額の建設費用に加えてバブル崩壊で利用客数が目標を大幅に下回るなどして業績は低迷を続け、毎年200億円前後の赤字が発生。2001年2月に2762億円の負債をかかえ、会社更生法の適用を申請した。

経営を引き継いだのが、アメリカの投資会社のRHJインターナショナル(旧リップルウッド)だった。RHJIはリストラを続け、2010年3月期の単独決算で開業後初の最終黒字を達成したが、11年3月期は再び赤字に転落していた。

そんなシーガイアに興味を示したのがセガサミーホールディングスだった。2012年に2月にシーガイアなどを運営するフェニックスリゾートの全株式をRHJIから取得し、完全子会社にした。フェニックスの持つ大規模施設の運用ノウハウを得て、将来は統合型リゾート施設の運営を目指す狙いがあった。

セガサミーはパチンコなど遊技機事業とゲームソフト事業が収益の柱だ。しかし、市場が国内に限られ、中長期的には少子化の影響が避けられない。当時の日経新聞は「シーガイアを傘下におさめ、将来はカジノ施設も視野に新たな複合型リゾートの開発を検討しているとみられる」と報じている。

これが100億円のリニューアル投資につながっている。リニューアル完了後に攻勢に出たシーガイアの復調は業績にもあらわれている。

宿泊客の約4割は九州からで、関東からが約3割、関西からは約1割で、残りが韓国や台湾などからやってくるインバウンド客だ。

たとえば、人気のプランに2年前の秋からスタートした、九州に住んでいる人限定の1泊5食+温泉付きの宿泊プランがある。朝食、昼食、夕食、ティータイム、バータイムの5食がついて価格は、なんと1人1万5000円~(第6弾のプラン/5月9日~7月12日)だ。この宿泊プランは、繁閑の差を埋めるものだが、リピーターが確実に増えているという。

こうした努力が実を結び、2018年3月期は個人客が2017年比で22%の増。2019年3月期も2018年比で14%増となっている。営業利益での黒字化は、もう目前に迫っているといっていいだろう。

2019年はシーガイアの全面開業から25年目を迎える年でもある。バブルの膨らみから崩壊、その後の長きに渡る日本経済と数多の日本企業の敗戦処理をつぶさに見てきた立場からいえば、いまこうして往時の「ホテル・オーシャン45」からシェラトンに引き継がれて生き残ったホテルにいることが、ちょっと信じられない気持ちになる。

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