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上海モーターショーを取材して分かった「日の丸メーカー」の存在感

激変の時代を勝ち残れるか

「技術、製品、ブランド、企業文化の4つに絶対の自信をもって、中国人のライフスタイルに合うクルマを提供できるのは当社、吉利汽車だけだ」――。

大勢の欧米人が占拠した来賓席に向かって、吉利のプレゼンターが熱弁を奮えば、対するトヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲンはそろって新型EV(電気自動車)投入など技術力を誇示する。

昨年28年ぶりのマイナス成長となった世界最大の自動車市場・中国の異変を吹き飛ばす新風と期待されているのが、上海国際モーターショーだ。本日からの一般公開を前に、筆者が今週火曜日(4月16日)に開催されたプレス・デーを取材した雑感をお伝えしよう。

注目高まるモーターショー

上海モーターショーは第1回の開催が1985年。偶数年開催の北京モーターショーと交代で隔年に開催するという形態をとっており、1954年が初回の東京モーターショーに比べれば歴史は浅い。

とはいえ、お膝元に世界最大の自動車市場に発展した中国マーケットを抱えるだけに、注目度や入場者数は世界の5大モーターショーを追い越す勢いがある。必然的に各国の自動車メーカーも力を入れるモーターショーだ。

特に今回は、中国の2018年通年の新車販売台数が前年比2.8%減の2808万台(輸出を含む工場出荷台数ベース)と、28年ぶりの前年割れを記録。

米中両国の貿易戦争に伴う中国経済の減速に加えて、中国政府の環境政策見直しの影響が取り沙汰される中での開催となり、たちこめる暗雲を吹き飛ばすことができるかどうか注目されている。

筆者は何年も前から中国のモーターショーを現地取材したいと考えていたが、調整が付かず断念を繰り返してきた。

 

今回、渡航手続きや取材チケット取得に関して、なしのつぶての在日中国大使館やギリギリまで開催スケジュールと手続きを公表しないモーターショー主催者に代わって、過去の経験を踏まえて様々な助言や協力をいただいた関係者各位に厚く感謝している。

取材の当日は午前6時過ぎ、ホテルから徒歩で最寄りの地下鉄10号線の駅に向かった。はじめてでも操作が分かり易い自販機で乗車券を購入。身体と持ち物のX線検査など空港並みのセキュリティ・チェックを受けて、地下鉄に乗車した。

車両内は東京都内の朝のラッシュ時並みの混雑だ。虹橋2号航站楼(上海虹橋国際空港2号ターミナル)駅で地下鉄2号線に乗り換え、一駅、終点の「徐涇東」を降りた。

「徐涇東」は、モーターショーの会場「国家会展中心(上海)」の最寄り駅である。ここまでは何のトラブルもなく、実にスムーズだった。

ちなみに、上海では昨年末段階ですでに16の地下鉄路線が開通・運行しているという。それぞれの駅はおよそ1.5㎞間隔のようだ。乗り換えを厭わなければ、市内のほとんどのところへ辿り着ける。前回(15年前)の上海取材時と比べて格段に便利になった。道路に溢れかえっていた自転車やオートバイ移動を激減させる効果もあったようだ。

しかも、大渋滞しがちで時間が計算できない乗用車での移動と違い、地下鉄はほぼダイヤ通り正確に運転されていた。

上海では、配車アプリでマッチングする白タクはもちろん、認可を得たタクシーでも釣り銭を用意していないドライバーが少なくなく、スマホでキャッシュレス決済をしないとトラブルのもとになる。そうしたスマホ全盛の街ならではの事情もあり、旅行者の筆者には地下鉄は本当に重宝する移動手段だった。

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