御岳山 神代ケヤキ(撮影:福嶋 司)

10連休におすすめ「御岳山」を歩く~東京にもこれだけの自然がある 

近場で過ごしたいという方に
旅行に行っても混んでいるだけだし、10連休は近場で過ごす、という方も少なくないだろう。そのような方におすすめなのが、都心から日帰りで自然を味わえる御岳山だ。『カラー版 東京の森を歩く』の著者福嶋司さんによれば、新緑の季節ならではの魅力があるとのこと。同書のなかから、御岳山の章を特別公開する。

代表的な自然林

御岳山一帯は関東山地の東端部にあたる海抜900~1100メートルの地域である。行政区では青梅市に属し、市の西部に位置している。御岳山地域の地質は高尾山地域のそれよりもさらに古い秩父古生層が主体となる地域で、長いあいだに浸食されて急峻な地形を形成している。

御岳山は歴史の古い信仰の地であり、年間を通じて関東各地からの来訪者も多い。御岳山の中心である武蔵御嶽神社は、大岳山、奥の院とつづく尾根の一つ、丸山(標高929メートル)に鎮座している。

「御岳」は山への尊称に由来するといわれるが、大岳山、奥の院、丸山の三つの山を「三岳」と呼んだことから来たという説もある。これは、秩父の三峰山が、妙法ヶ岳、白岩山、雲取山を総称して三峰となったということと同じ理屈である。向かいには日の出山(標高902メートル)があり、その日の出山からは天気のよい日には遠く東京タワー、霞が関、筑波山が望め、多摩丘陵を隔てて江の島まで見えるという。

この地域は信仰の山として、高尾山と同様に保護されてきた。そのため、ここには関東地方の代表的な自然林が残っており、垂直的植生分布を観察できる。また、夏季にはレンゲショウマの可憐な花を観察する目的で訪れる人も多い。

レンゲショウマ

御岳山を歩く

御岳山へはJR青梅線御嶽駅で下車、駅前から御岳登山鉄道ケーブルカーの滝本駅までバスに乗車する。所要時間は10分ほどで、車窓からはかつてこの地域に広がっていた自然林(常緑広葉樹林)の断片が見える。バスを降り、滝本駅までは渓流沿いを歩く。渓畔林の植物であるケヤキ、オニグルミ、フサザクラ、オオバアサガラ、イロハモミジ、コクサギ、アブラチャン、タマアジサイなどがみられる。

御岳山のケーブルカーは昭和10年(1935)に運行を開始し、その後戦争が勃発、軌道を拠出したために休止し、終戦後の昭和26年(1951)から再運行された歴史を持つ。ケーブルカーは滝本駅(標高407メートル)から上の御岳山駅(標高831メートル)まで、424メートルの標高差を平均傾斜22度、最高25度の急傾斜で登っている。乗車するとアッという間に駅である。

夏には御岳山駅の向かいの斜面に、大きい淡紫色の花を下向きに付け、その姿が「蓮華」に似ることで名づけられた「レンゲショウマ」の花園が出現する。これは植えられたものであるが、一面に咲き誇った花は見事である。